出版社内容情報
札幌に近いコタンに住むマサとユタカは,アイヌの姉弟。アイヌゆえに受ける不当な差別の中で,ユタカは死の誘惑にかられる。 中学生から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
46
第二巻に進み、ここまで来るともう止まらない。中学生たちの世界は、いじめと友情のエピソードが相変わらず繰り返され進展は見られないが(悪く言うと反アイヌと親アイヌの図式が続く。まあそう簡単に変われるものではないが)、"理想的"かと思われた教師の世界が動き出す。いずれも良心的な教師なのだが、内なる差別に気づかされて「民主教育だの、機会均等教育だのメガホンで叫ぶことはいくらでもできる」「しかし、本当に子どもたちを愛していなかった」と悩む教師、教職を捨て画家を目指して上京してしまう教師。にもかかわらず、↓2015/05/13
ちょん
18
物語がだんだん悲しい方向に向かっていく(´;ω;`)いい話なんだけど、ちょっと心配💦飼い犬が星座になった時のことを空想したり、おばあちゃんが息を引き取るところの描写が切なすぎたり。本当にいい本、心に新しい見方が生まれる。2021/05/15
こっき
2
昭和20年代か30年代頃の北海道の小学校を舞台にした小説で、アイヌ民族と和人との民族差別問題が多少理解できました。北海道以外ではあまり語られることはないかもしれませんが知っておくべきことがらかも。しかしながら、フエと田沢の結婚問題は民族差別ではなくもっと個人的な問題かと…2015/01/15
菱沼
0
再読。ユタカの危うさにハラハラする。その一方、トリカブトの毒を「ブシ」と言っていることから、毒物を扱った狂言「ぶす」はこれから来ているのかも、などと思った。マサにもっと反抗して欲しいと思うけれど、忍従という強さもあるのかもしれない。2021/08/23
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