出版社内容情報
中学生から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
97
藤井聡太四段の受けた教育法が話題になってるが、モンテッソーリってアンネ・フランクが通っていた学校じゃなかったっけ。この本でアンネの先生だった人が筆者の取材に答えている。アンネは日記で授業中のおしゃべりについての先生との攻防をユーモラスに描いているが、先生はモンテッソーリでは授業中に無駄口を叩く気になれない筈。しかもおしゃべりを咎めたりしない。授業中歩き回っても構わないと話していたな。この本は日記と同じ位何度も読み返した少女時代の愛読書の一つ。2017/06/28
けんちゃん
27
「アンネの日記」を読んだ著者が、アンネと関わりのあった76人を追い、そのうちの42人から得た証言をまとめています。父オットー氏、隠れ家での生活を助けた人たちから、収容所ですれ違うようにアンネに出会った人たちまで、様々な人たちの断片的な証言を読むごとに、「アンネの日記」の作者からひとりの普通の少女アンネ=フランクへと肉付けされていく、イメージが具体化していくような感覚になりました。アンネは、ホロコーストで犠牲になった100万を超える子どもたちの1人だったということをあらためて認識した作品でした。2013/02/08
りえこ
9
アンネに関する本は色々読んできましたが、こちらもとても読みごたえのある一冊でした。人々の記憶は間違いもあるかも知れないけど、生き生きしていて、人間の実態が想像しやすいと思いました。2020/09/29
井戸端アンジェリか
8
アンネと関わりのあった42人に逢いに行き(当初76人予定)アンネがどんな女の子だったのかを探しに行くノンフィクション。 序盤は普通の生活をしていた頃の想い出話なので楽に読める。徐々に戦争の色が濃くなるにつれ苦しくなる。終盤では隠れ家の協力者と、連れ出された後に強制収容所で多少でも交流のあった人たちの証言になり、なんとも言葉に表せない重さがある。 作中アンネの書いた童話や小説が挿入させる。御本人も作家志望だったらしい、もし生き延びる事が出来たならきっと素敵な作品を手に取る事が出来ただろう。2013/06/22
ヴァン
7
この本の発行は古く、西ドイツで1958年に出版された。著者がアンネ・フランクを知る関係者に取材して、証言を積み重ねてアンネの人物像をエピソードと共に構成している。アンネがどうなったか、私達は結末を知っている。読み進めるうちに重たいテーマに胸をうたれ、平易な文章のなかに事実を追究していく著者の筆力を私は感じた。2016/10/11