出版社内容情報
アラングル屋敷での25年前の殺人事件に挑戦するルパン。円熟期の傑作連作短編集。「テレーズとジェルメーヌ」「水びん」など8編。 中学生から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
7
活字も大きく読みやすい完訳版。これはこれで充分楽しめるが、やっぱり愛する堀口訳には……。2015/04/05
akane
5
8点の短編のうち、「ジャン=ルイ事件」が最も印象に残った。主要な登場人物3人ががちがちの固定観念にしばられているが、ルパンの知恵で3つの鎖は断ち切られ、長年の確執が氷解する。これは一種のプラシボ効果かもしれない。見事なのは、ルパンの言葉が真実であろうとなかろうと、もはや誰も気にせず、文字通り「目が覚めた」心境を喜んでいるということ。母子が絡んだ話では、日本の大岡裁きが有名だが、3人全員が救われるという点では、この作品に軍配が上がりそう。読みながら、先入観から解放された気分を味わうジャンたちが羨ましかった。2019/05/20
きゆすやいかさ
4
何も盗まないルパン! あなたの心を盗んで行きましたー!2018/01/31
tachibana
3
海外古典読みとして育ててくれなかった世界が悪いので、僕は悪くない2019/06/29
たかし
2
連作短編もの。うち、『テレーズとジェルメーヌ』は密室殺人を扱ってたり、『雪の上の足あと』とか、古典ミステリにありがちなものを使ったりしてる。当時は最先端ミステリだったのかもしれない。今回のヒロインであるオルタンスは人妻なので色々と問題はあるんだけど、好奇心旺盛で冒険好き、それでいて見ず知らずの人にもわりと優しいという、結構可愛い女性である。これまでのヒロインの中でトップなんだけど、再登場しないというから、どっかで別れたんだろうなぁ。2018/09/22