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出版社内容情報
古い石畳の街でおこるいろいろなできごとを、彩り豊かに描き出した高楼方子の短編集。
内容説明
街の路地のそこここで毎日、小さな物語が生まれています。ふしぎでおかしく美しい八つの話。中学生から。
著者等紹介
高楼方子[タカドノホウコ]
1955年生まれ。『へんてこもりにいこうよ』『いたずらおばあさん』の二作で路傍の石幼少年文学賞、『十一月の扉』で産経児童出版文化賞、『わたしたちの帽子』で赤い鳥文学賞・小学館児童出版文化賞、『おともださにナリマ小』で産経児童出版文化賞とJBBY賞を受賞
出久根育[デクネイク]
1969年生まれ。『あめふらし』でブラティスラヴァ国際絵本原画展グランプリ受賞。『マーシャと白い鳥』で日本絵本賞大賞受賞。『もりのおとぶくろ』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
野のこ
57
石畳の街角からうまれる物語たち。アパートから見える小道から現れる女性の悲しい恋愛の空想。友人が語る、猫が魔法にかかって社長になった物語。嘘つきの子どもに話したウソ太郎の物語。緑のオウムと美しい少女に憧れる女の子の絵本の中の物語。特にお気に入りは「クマ倒し」のボールゲームを中年になってもやってくる客の心情。会話のない夫婦が推理し合って少し頬が色づく。中年本人は知らずにマンネリ夫婦に一役かってる、グッドジョブ。「日曜日」は連作の集大成で面白かったです。私もこんな街で暮らしてみたいなぁと妄想しました。2018/01/19
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
56
街角一つあれば、こうやって色んな物語があるんだなぁ。こうやってちょっと目に触れたものから空想にふける、そんな瞬間が好きです。女子って妄想好きですから。妄想から出来た物語で夢心地になって、現実までも憂いになれば更にハッピー。最後の日曜日に、短編に出てきた人々が登場する終わり方が素敵です。出久根育さんの挿絵がまたピッタリでした。2018/11/16
よこたん
49
“昔に生きていた人たちも、みんなみんな、そのときそのときを〈いま〉だと思いながら、この道を歩いていたのよね…。わたしだってそうやって、いま、ここを歩いてるんだもの…” 旧市街にあるVの字型にのびる〈糸車小路〉と〈ツグミ小路〉。少し謎めいた佇まいと、行き交う人々にかきたてられる想像と、心に描く物語はどんどんと膨らんでゆく。扉や窓辺の内側には人々の暮らし、営みがあり日常と非日常が混じり合うような世界が存在している。あちらこちらの徒然なる物語たちが、最終話ですっきりとまとまる様が本当に気持ちよかった。2017/10/28
anne@灯れ松明の火
41
遠い方の新着棚で。高楼さんの新作は連作短編集♪ 外国が舞台で、ちょっと引いたのだが、だんだん気にならなくなった。タイトル通り、街角にはさまざまな物語があるのだな。不思議な話、ちょっと怖い話、くすっと笑える話……。それらの最後に、最初の話の主人公が再登場し、すべての話がつながっていく。お見事! ラストの詩は『赤毛のアン』を思い出させる。高楼さんもお好きなんだろうな。2017/11/08
星落秋風五丈原
39
ピッパという女の子のエピソードが扉のように最初と最後に登場。一見平凡に見える日常にもいろいろな不思議は起こっている。2017/10/30