出版社内容情報
少年と老人は、無事カナダにたどりつけるのか――最初から最後まで、はらはらしどおしのストーリーで、一気に読んでしまいます。
ハリソンにむりやり連れてこられた少年サミュエル。最初のうちは、おびえているばかりで、足手まといになっていますが、しだいにハリソンの体を案じるまでになり、ハリソンが病に倒れてからは、必死に守ろうとします。
ハリソンも魅力的なキャラクターで、怒りっぽくて、サミュエルがあれこれ尋ねると、「うるさい。寝てろ」などというのですが、奴隷として生まれた自分たちの人生について、自分の過去について、ぽつりぽつりと語ります。ときに皮肉っぽく、ときに感情的に語るハリソンの言葉には、自分たちも人間であるという思いがこもっています。
この作品には、地下鉄道と称される黒人奴隷の逃亡に手を貸した人々に助けられながら命がけで逃げた奴隷の思いが丁寧に描かれています。
さまざまな資料から得た実話を下敷きにしているため、リアリティーがあり、感動的です。
人の命について、人が平等に生きるということについて、深く考えさせられる作品です。
内容説明
実話をもとに描かれる、一気読みの逃亡劇。黒人奴隷の少年サミュエルは、年老いたハリソンから、カナダへの逃亡を告げられる。親代わりのハリソンを一人で行かせるわけにはいかず、サミュエルはハリソンとともに北をめざす。自由になるための、終わりなき旅がはじまる。自由を求めた二人の息をもつかせぬ物語。
著者等紹介
ピアソル,シェリー[ピアソル,シェリー] [Pearsall,Shelley]
中等学校の教師、オハイオ州の体験型野外歴史博物館の学芸員を経て、現在はオハイオ州の自宅で文筆業に専念。独立戦争時代の難破船調査、バージニア州の野外博物館で18世紀の遊びの再現、歴史的建造物でのサマーキャンプの監督、五大湖の鉱石運搬船にまつわる伝説の語りなど、歴史にかかわるユニークな仕事をしてきた。処女作である本書『Trouble Dont Last』で歴史小説に贈られる「スコット・オデール賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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