内容説明
偉大なる魔法使い「恐ろしのアリマン」は、ある朝、自分が心底みじめな気持ちでいることに気づいた。悪と闇と黒魔術の世界を守りつづけていくことにもうすっかりつかれはててしまったのだ。そこで、とうとう、長年の独身ぐらしをあきらめて、あとつぎを育てるために、コンテストを開いて、もっとも黒い魔法をおこなった魔女を花嫁にすると発表した。あこがれのアリマンと結婚できるときいて、色めきたった七人の魔女たちが集まってきたが、それはアリマンの予想をこえる個性的な顔ぶれだった。
著者等紹介
イボットソン,エヴァ[イボットソン,エヴァ][Ibbotson,Eva]
1925年、ウィーンに生まれる。その後、ナチスの台頭によって家族でイギリスに移住。生理学を学び、科学者の夫と結婚したあと作品を書きはじめる。幽霊や魔法使いが登場するファンタジーを中心に、その奇抜なアイディアとウィット、たくみな語り口が子どもから大人まで幅広い人気を集めている。『夢の彼方への旅』(偕成社)でスマーティーズ賞金賞を受賞
三辺律子[サンベリツコ]
英米文学翻訳家。白百合女子大学大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
16
ある朝"恐ろしのマリアン”として名を馳せている黒い魔法使い・マリアンは悪と闇と黒魔術の世界を守り続けていくことに疲れ果て、跡継ぎを育てる為に花嫁選びのコンテストを開くことにしましたが、そこに集まったのは個性豊かな魔女達で・・。イギリスで多くの人に長く読みつがれてきただけあって面白かったです。マリアンは黒い魔法を使う凶悪な人物のはずなのに、小さい子供のようにどこか憎めません。そしてそんな彼を支える秘書達もとてもいい味だしてました。オチもなかなか良かったです。★★★★2011/03/16
タカラ~ム
14
いま個人的にハマっている作家エヴァ・イボットソン。本書は黒魔術世界のシンデレラストーリー。〈恐ろしのアリマン〉と讃えられる偉大な魔法使いアリマンが、働きすぎで燃え尽き症候群みたいな状態になってしまい、彼の後継者を得るために花嫁候補をコンテストで選ぶことになる。登場する黒魔女たちがイヤな感じなんだけど憎めない。最後に待ち受けるのはハッピーエンド。楽しくて幸せな気分になれる。イボットソン作品は本当に後味がよい。2019/03/04
ヴェルナーの日記
11
イボットソン作品の傾向を見てみると、児童文学らしく比較的簡単なストーリーで、容易に結末が分かってしまうのだけれど、そこに至るまでのプロセスの面白さが見逃せない。最後の最後まで読者をハラハラドキドキに楽しませてくれるエンターテーナーとしての彼女の意図が感じられる。本作品も例外にもれることなく、とても面白く愉快な作品に仕上がっている。2013/03/03
さくらもち
11
偉大でハンサムな魔法使い「恐ろしのアリマン」は、ある理由から独身暮らしを諦めて花嫁を迎える決意をする。そこで、もっとも黒い魔法をおこなった魔女を選ぶコンテストを開くことにするが、集まった魔女たちは超個性的で・・・。 とても面白かった!スミズミまで文句なしです(^^)d2012/12/27
うづき
7
★ ぎゅっと面白さがつまっている。ファンタジーとしてもロマンスとしてもお約束を踏まえていて、簡単に先が予測できるのだけど、だからこその良さがある。王道の強みってこういうことというようないい見本じゃないでしょうか。悪役にあたる人もコミカルに描写されていて憎めません。さらっと読めてしまう訳文と絵もいいな!と思います。2011/02/19
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