内容説明
バレエダンサーをめざす少女ロッテはその才能を認められ、町のバレエ学校から寄宿制の王立バレエ学校への入学がゆるされる。そこで、さまざまなトラブルにあい、人間としてまたバレリーナとして、ロッテは、大きく成長する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
92
誰しも子供ころは、胸いっぱいの、腕いっぱいの、抱えきれない夢をもっている。でも成長の階段を昇るごとに、だんだん重たくなって一つずつ置いていく。そして大人になったとき、どれくらいの夢が残っているのだろう。著者の『バレエダンサー』と同じ世界構成で、新たな主人公ロッテの成長を描いた物語。わずか10歳で自分の将来を決めることになった彼女は、いくつもの選択を迫られ葛藤していく。『バレエダンサー』を読んだときも感じたことですが、自分にもっとバレエの知識があったなら、さらに楽しめたと思う。でもハッピーエンドでよかった。2015/03/28
ぶんこ
49
英国のロイヤルバレエでは日本人も活躍している、していたので興味深かったです。バレエダンサーは、踊りだけではなくて、生活全てにダンサーとしての心が備わっていなくてはならない。爪が汚いまま踊ってしまったロッテにそう諭した、踊り面での育ての親というべきマダム・ホルバインの教えを守っている10歳のロッテが健気。また生真面目な伯母のエミイも素敵な人なので、同じアパートや職場の人たちから好かれていました。プリンシパルになるには天性の才能も必要ですが、日々の基本に則った訓練も大事なのが分かりました。2016/07/11
たまきら
22
読み友さんから。オタマさんが高学年ぐらいになってまだバレエをやっていたら、この本には勇気づけられるかもなあ。自分の視野と行動範囲を広げつもがいたり、どきどきしたりしながら、人間は成熟していく。そんな気持ちをもう一度思い出せる。きゅんとしました。2017/05/20
アカツキ
9
親を亡くし、おばちゃんに育ててもらっているロッテ。幼い頃からバレエを習っており、バレエ学校の試験を受けることになるが、ロッテは可愛い子犬プリンスとの別れがつらくて…。「バレエダンサー」と同じバレエ寄宿学校が舞台で、先生たちとの再会に嬉しくなる。ストーリーも悪くないけれど、「バレエダンサー」の後では…。苦労続きのおばちゃんが幸せになれてよかった。2019/12/10
朱音
4
バレエ物語というよりは少女の成長ものといったイメージが強いですが、舞台になったバレエ学校も“らしい”し。(いや、こういう本格的なバレエ学校知ってるわけじゃないですけど)バレエ学校に通う少女と、ペットショップの仔犬の意外な出会いから始まって、周囲の人たちがからまりまたバレエと絵画(バレエの主題がベラスケスの絵から取られているので)、美しい情景が描かれています。で、また主人公とか少年とかの描写がいいのよね。みんないい子で。(ま、違う時もあるけど)こういうのびのびした児童文学っていいなって思いました。2002/11/29