出版社内容情報
強盗に襲われた父の死を、受け入れたくなかったデイビー・・・。現代アメリカの断面を鋭くついたブルームの異色作。 小学校高学年から
内容説明
ゆっくりやってくる死には、心の準備もできる。あまりに突然では…さよならをいう時間もない。強盗に襲われた父の死を、デイビーはどうしても受けいれたくなかった。家族はそれぞれに、病んだ心をかかえて、〈原子力の町〉ロスアラモスの伯父夫婦のもとに身をよせる。ある日峡谷で、デイビーは狼のような激しい目をした青年に会う。青年はデイビーを〈虎の目〉とよんだ。現代アメリカの断面を鋭くついたベストセラー作家ブルームの異色作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qbmnk
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1981年のアメリカの青少年向け小説。犯罪被害者の家族に焦点を当てている。思春期の少女が主人公で、物語の展開はライトノベルのように単純で分かりやすい。発端となる事件は突然で悲劇的ではあるが、その後の展開や主人公の心の動きは素直で複雑さはない。母親や幼い弟に関する描写もあっさりしていてやや表面的に思える。立ち直りのきっかけになる青年との出会いもご都合主義なところがあり、青年の背景や心理描写も少なく主人公以外の心情に深い洞察が足りないように思う。社会問題を取り扱っているが全体的に物足りなく感じた。2024/09/28