出版社内容情報
いま人類はこの地球上に、わたしたちホモ・サピエンスのたった1種類しかいません、ときくと、「え、そんなのあたりまえでしょ」と思うかもしれません。
まわりを見わたしても「ちがう種類の人類」なんていませんから、とうぜんですよね。しかしそれは人類の歴史をみると、とうぜんではないのです。
イヌの仲間にオオカミやジャッカルなどがいるのと同じように、かつて人類にもホモ・サピエンスではない、けれど仲間といえるほかの人類がいたのです。そんな状態から、現在のようにホモ・サピエンスだけになったのは、ほんの数万年前からで、それまではネアンデルタール人やホモ・フローレシエンシスなど、他の種の人類もいっしょに地球上に生きていました。
さらにさかのぼれば、アルディピテクス、アウストラロピテクスなど、ホモ属ではない(でもつながっているかもしれない)人類も、この地球上でくらしていたのです。そうしたことは、いま人類がホモ・サピエンスだけになってしまったためか、あまり意識されることはありません。
そのあいだに人類は直立二足歩行をはじめ、犬歯を小さくし、森からでてたくさん子どもを産み、肉を食べて脳を大きくし、石器をつくり、えものをもとめて長い距離を走るようになりました。
そうした長くねばりづよい進化のすえ、ついに何百万年も暮らしていたアフリカ大陸を出ていくことになります。
この本では、人類が進化の上でチンパンジーとわかれてから、二十種以上の人類が現れては消え、さいごに私たちホモ・サピエンスが現れるまでの約700万年間を、たくさんの絵や写真とともに紹介していきます。
内容説明
いま人類は、私たちホモ・サピエンスしかいません。しかしほんの数万年前までは、ネアンデルタール人やデニソワ人など、ほかの人類もいっしょにくらしていたのです。それだけでなく長い歴史のあいだには、なんと!二十種類以上の人類があらわれては消えていったことがわかっています。この本では、人類が進化の上でチンパンジーとわかれてから、ホモ・サピエンスが現れるまでのおよそ700万年間を、たくさんの絵や写真とともにじっくりと紹介していきます。
目次
1章 頭を高く、立ち上がる人類
2章 森を出て、子を残す人類
3章 脳を大きくし、走りはじめた人類
4章 アフリカから世界へ広がる人類
5章 ヨーロッパで栄えて消えた人類
6章 消えた人類とさいごの人類
著者等紹介
更科功[サラシナイサオ]
1961年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。現在、武蔵野美術大学教授、東京大学大学院非常勤講師。『化石の分子生物学―生命進化の謎を解く』(講談社現代新書)で、第29回講談社科学出版賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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