出版社内容情報
表題作の「銀のくじゃく」「熊の火」「火影の夢」など、7編。安房直子が語る、異界のものとの恋とその結末。解説は作家の石井睦美。
安房直子[アワナオコ]
高橋和枝[タカハシカズエ]
内容説明
表題作「銀のくじゃく」をはじめ、「緑の蝶」「熊の火」「秋の風鈴」「火影の夢」「あざみ野」「青い糸」等。異界のものとの恋を描いた作品が中心です。甘く幻想的な短編7編。小学上級から。
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
1943年、東京に生まれる。「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『北風のわすれたハンカチ』『風と木の歌』『遠い野ばらの村』『山の童話 風のローラースケート』『花豆の煮えるまで―小夜の物語』等の作品で多くの賞を受賞。1993年永眠
高橋和枝[タカハシカズエ]
画家。1971年神奈川県生まれ。東京学芸大学教育学部美術科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
51
小川洋子さんがラジオ番組で紹介された「火影の夢」を読む。ついでに「青い糸」も。この本、タイトルに小さく「童話集」と付いているが、安房直子さん独特の「こちら側」と「あちら側」の世界が不思議な魅力をたたえつつも怖いような哀しいような・・・。老若男女が物語世界にひたれる作品集だった。2022/07/14
あたびー
28
#日本怪奇幻想読者クラブ 児童書。どれも美しくてもの哀しい七つの物語。このような物語に子どものときに触れたらどのように感じたのだろうか?理解はできなくともやはり何か美しく哀しい涙で胸の中が一杯になっただろう。そうして大人になってからこの物語の事を思い出し、もう一度頁を繰れば、自分の胸深いところにひっそりと眠っていた哀しみを掘り起こし、温かくて清らかなものが湧き出してくるのを感じるだろうと思う。それは解説によれば、作中の人物が自らの意志で異界へ旅立っていくからだという事だ。2020/06/17
mntmt
24
安房直子さんの創り出す異世界に吸い込まれそうになった。2017/02/13
花林糖
16
【2019年花鳥風月読書会】切なさと恐ろしさのある安房さんらしい短編7話。「熊の火」「火影の夢」「青い糸」が特に良かった。2019/04/14
小梅さん。
15
現実の隣には、ぽっかり別の世界への扉が開いている。 児童書にしては、ちょっとシビアな雰囲気のお話が多かった気がする。 異世界への扉を開けてしまったのは主人公たちだとしても、それは、ちょっとした弱さだったり、気の迷いだったりする場合は特に。 その後の彼らが描かれていない場合は、その世界で、新しい幸せを手にしていることを願う。2017/03/28