内容説明
ルパンはドイツ、フランス両国にまたがる怪奇とスリルにみちた事件の解明にのりだした。謎の人物『L・M』の手によって刑務所に放りこまれたルパンはまたしても彼一流のやり方で脱獄に成功する。全ヨーロッパの命運をかけて再びルパンの死闘がはじまった。ルブランの最大傑作といわれる冒険推理小説中の完結編。小学上級から。
著者等紹介
ルブラン,モーリス[ルブラン,モーリス][Leblanc,Maurice]
1864年フランスのルーアンに生まれ、少年時代に文豪フロベールと親しく接した。はじめ心理小説を書いたが、1905年「ジュ・セ・トゥ」誌にルパンを初登場させて大評判を博し、以後『813』『金三角』『虎の牙』など主にルパンものを発表。魅力的なルパン像、推理と冒険話により今日に至るまで世界的な読者を得る。1941年没
大友徳明[オオトモノリアキ]
1935年東京に生まれる。早稲田大学大学院仏文科修了。関東学院大学人間環境学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
13
新潮文庫版を読んで犯人がわかった状態で、この読みやすい翻訳で再読。こうしてみると、ルブランの計算は見事なのだけど、設定はかなり無茶。幸運な偶然、微妙すぎるタイミング、超人的な体力と敏捷さなどが頼りというのは、計画殺人としてはちょっとな。とはいえ、ルパンの無謀な冒険心と自信過剰な突進力は、結果オーライなのはともかく、痛快なヒーローとして評価できますな。そうそう、最後の殺しは「殺人」ではなくて「過失致死」じゃないか。かといって罪が軽減されるわけじゃないし逃げちゃったけどね。2020/03/13
miporin
3
前作「813」は新潮文庫で読んだのだけれど、どうにも和訳が好きになれずに続編は偕成社文庫で。児童書コーナーにあったけれど、大人でも楽しめる生き生きとした翻訳で読んでいて楽しかった。「813」もこちらの訳で読み直そうかな。すっかりルパンモードになったので、数年前にやった映画「ルパン」のDVD借りてきちゃった(まだ観てなかった)。2013/04/25
ヨコケイ
2
【別訳で再読】"世界じゅうが爆笑した"という書き出しが『くたばれ健康法! 』みたいで素敵。警察の無能ぶりを愉しげに描くので、芦辺拓が引用した「ルパンを生んだのは第三共和制時代の貧富の差と政治腐敗」という説に納得しそうになる。中盤は英仏独をゆるがす秘密文書を見つける探偵行(タイムリミット×宝探し)と、後半に有名な「殺人鬼の正体」の暴露がある。一見、愛国心や義侠心っぽくても、基本ルパンの動機は私利私欲で、犯人と同じ穴の狢、それを乳母に突きつけられる場面は、子供版で改変されたルパンの「三つの犯罪」と共に読み処。2021/05/08
Sosseki
1
読んだはずだが、犯人に驚く。懐かしかった。当時は、ホームズ、ルパン、20面相位だったが。ルパンは、こんなに多弁だったのか!自分が年取ったせいか、多少こどもっぽいところを感じたが、そこも魅力か。2022/06/28
(ま)
1
3つの犯罪2019/10/26