出版社内容情報
省平と大二郎は、教室の屋根裏にはいりこんだが、そこからもどった「6年3組」は、様子が違っていた。独自の視点から現代日本を描く傑作児童文学。 小学校高学年から
内容説明
教室の屋根裏にはいりこんだ省平と大二郎。「六年三組」の教室にもどってきたがそこは、どこかようすがちがっていた。ふたりは、日本が太平洋戦争に勝った世界にまよいこんでしまったのだ。その世界の日本は、軍部が強大な力をもちいまだアジアで戦争をつづけていた。小学上級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
13
☆4 いや面白いわ。タイムスリップものではなくパラレルワールドものというのが新鮮。それも日本は戦勝国で、でも軍隊は現役でいて父親が南へ従軍中だったり兄が戦死していたりする。核を使おうともしている。屋根裏が釘付けされてあーもう元の世界には戻れないのかとがっかりした私、甘かった。さらに超弩級の悲劇が襲ってくるんだから。読み終わってある意味戦争に負けて正解だったのかもなあと思った。2024/11/22
にたいも
13
古い校舎の屋根裏から「日本が太平洋戦争で勝った」パラレルワールドに紛れこんでしまった省平と大二郎。戦艦大和を見学に行き、知識を披露したところ、とんでもないことになっていく。〈わたしたちは、未来のことはわからないという。しかし、それはちがうんだ。未来というのは、現在から見れば無限の目をもつサイコロなんだ。われわれは一瞬一瞬、未来というサイコロをふりつづけているんだ。〉子どもが戦争を自分事として考える工夫に満ちている。1975年刊の文庫版1999年。イラストを替えて今一度出版されてほしい。11歳くらいから。2024/07/13
みー
4
パラレルワールドに紛れ込んでしまった少年ふたりの物語。 「僕らは海へ」のインパクトに比べると、パンチ力は劣るが、それでも作者が伝えたい、戦争の理不尽や内面の恐怖はひしひしと伝わってくる。 戦争の恐怖を全面に押し出す物語とは違うが、 こういう風に戦争を表現した物語も、想像力を養うと言う視点を考えると大いにありだと思う 2020/08/21
読み人知らず
3
日本が戦争に勝ってたら。という世界に迷い込んだ話です。 2007/10/24
kumpun
2
1975年に刊行されたものを1999年に文庫としてだしています。こどもの頃に読んだ記憶がありません。いま読んでみて、とても読みごたえがあり、考えることの多いお話でした。藤田のぼるさんの解説が、より物語のリアルを深めています。今もこれからも「戦後」でありますように。2023/09/30
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