内容説明
男たちが危機におちいるたび、救いの手をさしのべてくれた神秘の力。ひそかに五人を見守っていた謎の人物についにめぐりあう。物語は、意外な決着をむかえる。『海底二万里』のヴェルヌが描く驚異の冒険小説完訳版。小学上級から。
著者等紹介
ヴェルヌ,ジュール[ヴェルヌ,ジュール][Verne,Jules]
1828年フランスの港町ナントに生まれる。一時法律の勉強をするが、20代のなかばに文学に専念。1863年『驚異の旅』シリーズの第1巻『気球に乗って五週間』が出版され、評判になる。以後『地底旅行』『月世界旅行』などつぎつぎに話題作を発表。世界的なベストセラー作家となる。1905年没
大友徳明[オオトモノリアキ]
1935年東京に生まれる。早稲田大学大学院仏文科修了。現在、関東学院大学人間環境学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
43
再読。最後の最後まで盛り上がって、疾走感と共に読み終えました。「海底二万里」「グラント船長の子供たち」を読んでいると、エフトンの為人に人間の可能性を感じます。ヴェルヌは始めから「神秘の島」を含めて三部作の構想で書き始めたのでは無いらしく、年代等齟齬がありますが、些細な瑕疵に過ぎません。登場人物それぞれの生き様に胸が熱くなりました。ヴェルヌの傑作の一つだと思います。 2022/09/07
北風
19
さすがに、途中で気付いた。その可能性大、とっ!! 「海底二万里」「地底旅行」は登場人物が少なくて、ずっと単調な感じだったから、この島は本当にいろいろなことがあって、冒険があった。さまざまな人生もあったしね! 最後にまさかと思ったけれど、本当にあの人が登場するとは……。先にあの本を読んでいて本当によかった……!!2019/07/01
羊山羊
8
2巻ラストで島にやってきた船は海賊船だった! 一行は島を守るため戦うことを決意する。そして旧火山であるリンカーン島の地下では、救いの手と終わりの始まりが様子を見ていた。今までの謎を一気に解決する最終巻。ずっと一行を見守っていた救い手の想いに感動。船長…。1巻は自然冒険、2巻で開拓+空想科学小説要素、3巻で戦う冒険小説と、3間全てで違うカラーを見せてくれました。傑作だった。2018/11/24
疎水
7
このような漂流物を読むたびに、こんなことが自分に起ったならただ餓死を待つだけなんだろうなあ、と思う。しかも『神秘の島』の漂流者のように所持品をほとんど持ってなければなお一層のこと。/『海底二万マイル』を読んでネモ船長の過去を知りたいと思いこの本を取ったがいつの間にかその目的は忘れられ、この本の物語に夢中になっていた。サイラス・スミスの知識量とほとんどを無から作りあげた漂流者達には凄いとしか言えない。ペンクロフのキャラも憎めなくて好き。2013/09/08
アロン
6
やっばり、神秘の島はヴェルヌの最高の作品だと思う。2012/04/26