内容説明
准たち二年D組のリレーメンバーは五人、足がでかくてがたいもよくて走るのが速い楷、女子だけれどやっぱりすごく速いユキ、それからあんまり速くないひろし、そしてぜんぜん速くない葉。六月の体育祭は始まった。
著者等紹介
伊沢由美子[イザワユミコ]
千葉県に生まれる。獨協大学卒業
小泉るみ子[コイズミルミコ]
北海道に生まれる。早稲田大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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七色一味
21
読破。いわゆるジャケ借りした本です。なんというか、微妙な互いの距離感を楽しむ1冊、ですかね。中学校最後の体育祭の、リレー選手に選ばれた(立候補した)5人の、体育祭当日までの背景と家族との距離感。近づくんだけど、バトンが渡せる距離以上には縮まらない、メンバー同士の距離感──。意外と、良い本でした^^2012/03/05
ほんわか・かめ
17
図書館福袋。テーマ【走りたくなる!】体育祭。2年D組リレーメンバー5人が抱えている問題が、それぞれの章で語られる。認知症の家族、異母兄弟、転校、兄の非行、養護施設。時系列に説明される変な友情物語より余韻を感じられた。バトンを渡す距離以上には縮まらない5人の距離感も絶妙。リベンジのために、自身の抱える問題を一歩進めるために、ただ走る。それぞれの一歩が重なって迎えたエンディングはとても清々しかった。これも青春だ。2022/01/21
ぱせり
12
六月って、爽やかだけど、実は、天候不安定、春でも夏でもない微妙な月。一体彼らはなぜ、そんな格好をして、そんな走り方をしたのか。危なっかしかったり、はみ出していたり、きっとこれからはもっと大変。でも、それをしっかり引き受けようとする14歳の懸命さ、ひたむきさがまぶしく、ただ「走れ」と応援する。2010/06/04
ひまわり
6
それぞれの子の思いをバトンで繋ぐ。2020/10/28
ひまわり
5
それぞれの生徒が抱える思い。バトンを繋いで。2016/01/17