出版社内容情報
放課後の学校に忘れ物をとりにいった康男と優樹。誰もいないはずの教室に、竜退治の騎士だという男がいた。独特のファンタジー世界を描く作者の最新刊。心がまるくなる物語。
内容説明
その人はジェラルドと名のり「おれは竜退治の騎士やねん」と関西弁でいった。どうみても日本人だった…。「夢」さえすてなければかならず奇跡はおこる。夕暮れの学校でおこったふしぎな事件。小学校上級から。
著者等紹介
岡田淳[オカダジュン]
1947年、兵庫県に生まれる。神戸大学教育学部美術科卒業後、図工専任教師として小学校に勤務。斬新な手法で独特のファンタジー世界を描く。『放課後の時間割』(日本児童文学者協会新人賞)『学校ウサギをつかまえろ』(同協会賞)『雨やどりはすべり台の下で』(サンケイ児童出版文化賞)『扉のむこうの物語』(赤い鳥文学賞)「こそあどの森」シリーズ(野間児童文芸賞)など受賞作も多い
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
120
児童書で分量も多くなかったので、サクッと読めた。主人公のぼくは、同級生の女の子・優樹とわすれたプリントをとりに学校へ。すると教室には騎士の格好をした男がいて「おれは竜退治の騎士やねん」と、言いだし、ジェラルドと名のる。そして…という話。3人の会話が関西弁なのがなんとも可笑しい。ジェラルドの言動が人を食っているのか真面目なのかよくわからないし、妙に教訓めいたことも言う。本当にファンタジックなことは起こるけど、終わってみたら幻を見たような少し不思議な感覚が残った。そして夢を持つってなんだか素敵な気がしてくる。2021/02/09
へくとぱすかる
85
つくづく、ゲームの影響は世界に深く染み込んでいるなぁ、と思う。夕方おそく、宿題のプリントを取りに学校に入った6年生ふたり。そこで遭遇したのが……というわけ。ドラゴン退治という異世界状況と、関西弁という日常そのものが、しだいに絡みあいながら気がつけば戻れない状況になっている。このあたり良くできた作品ほど境界がわからない。この自然さがすごい。すべてが終わったと思っていたら……ラスト9行で、エエッとびっくり。最近の文学作品はこういうパターンが多いなぁ。とにかく物語は最後まできちんと読まないといけないという見本。2021/11/11
masa@レビューお休み中
63
放課後の教室で、竜退治の騎士にバッタリ出会ってしまった。康男と優樹はどうやったら竜退治の騎士になることができるか聞くのだが、その答えは胡散臭いことこの上ないものだった。ところが、その怪しい男は突然、芝居をするかのように一人で戦い始めるのだ。騎士の男は格好良い訳じゃない。でまかせを言っているようにも聞こえるし、そんなこと現実に起こる訳ないだろと突っ込みを入れたくもなる。そんなあり得ない出来事に遭遇した康男と優樹はどうするのか?二人が竜退治の騎士に見えてしまったのは…気のせいかな?2012/08/27
ひめか*
42
再読。本屋にて読了。読みやすくすぐに読めます。竜退治の騎士って役者さんで、ただお芝居してるだけと思えばつまらなく終わってしまうのだけど、康男と優樹は見えるはずのない竜が見えて…そこがファンタジーで楽しい。スリッパをまっすぐに揃えるの大事だよね(笑)竜退治の騎士になるには、まずそこから始めるのです。竜は康男と優樹の邪悪な部分が重なって、二人が一緒にいたから現れたんじゃないかとか、正解は一つとは限らないだとか…単なるファンタジーではなく奥深い内容になっている。最後夢を叶えた二人の会話で終わるところも良い☺︎2014/08/29
takaC
37
「ヤッちゃん、これ、どういうこと?」って気分。2012/07/20