出版社内容情報
不思議な力をもつ信田家のきょうだいは、時空をこえて金色のドングリが実る山へ。人間のパパとキツネのママと三人の子どもたちが活躍する冒険ファンタジー。シリーズ第2弾。
内容説明
人間のパパとキツネのママが恋におち、結婚して、そして生まれた三人の子どもたち―ユイ、タクミ、モエには、キツネ一族からおくられたふしぎな能力があった。“風の耳”“時の目”“魂よせの口”をもつ信田家のきょうだいが、時空をこえてよびよせられたのは、金色のドングリがみのる山。しかも、その山の人々は、なぜか石にすがたをかえられていた。せまりくる災いをまえに、キツネの血をひく子どもたちの運命やいかに!小学上級から。
著者等紹介
富安陽子[トミヤスヨウコ]
1959年東京に生まれる。和光大学人文学部卒業。『クヌギ林のザワザワ荘』により日本児童文学者協会新人賞、小学館文学賞、「小さなスズナ姫」シリーズにより新美南吉児童文学賞、『空へつづく神話』によりサンケイ児童出版文化賞を受賞。『やまんば山のモッコたち』はIBBYオナーリスト2002文学作品に選ばれた
大庭賢哉[オオバケンヤ]
1970年神奈川県に生まれる。イラストレーター。雑誌等の仕事の他に自らのホームページでイラストを発表している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
89
1作目より冒険の要素が強くなって、ますます私好みのファンタジーになってきました。物語には日本の神話や伝承が盛り込まれていて、単なるファンタジーとは趣が異なっているのも良いのです。狐一族の不思議な能力を受け継ぐ信田家の子供たち。ユイは風の耳(聞く)、タクミは時の目(見る)、モエは魂寄せの口(話す)。これって、"見ざる,言わざる,聞かざる"の三猿(申)に通じるものがあって、含蓄ある設定なのですね。こんなところに大人の読者も嵌ってしまう面白さがあるのだと思いますが、はたして子供たちはどうなのでしょうね。2021/12/26
takaC
64
今のところこの2巻が一番好きかも。文庫で1、2巻を読んでから3巻以降をハードカバー(児童書?)で読んでいてなんとなく気付いていたのだけど、オリジナルは挿絵が豊富で挿絵の情報量もかなり豊富だね。あるのとないのとでは印象も若干違うような気がする。自分の想像力の問題と言えばそれまでだけど。(笑)2015/07/09
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
62
両親が知人の結婚式に呼ばれ子供たちはお留守番。自由気儘に過ごしていると同じマンションに住むユイの友人が漢字ドリルを貸して欲しいと訪ねてきた。部屋に取りに行くと何故か夜叉丸おじさんが飛び出てきて・・。シリーズ第2弾。ナルニア国ものがたりを思わせる展開でした。前回明かされることのなかった末っ子モエの力が今回明らかにされました。そして3人の子供たちが受け継いだ力も今後は深い意味をもってきそうです。それにしても夜叉丸おじさんの株が上がったような、下がったような(苦笑)続編も楽しみです♪★★★★2012/12/26
masa@レビューお休み中
57
今回は、どんな物語かと思いきや、いきなり信田三兄弟による大冒険がはじまるのです。ことのはじまりは、夜叉丸おじさんが元凶となっているのですが、ユイ・タクミ・モエの三兄弟はもちろんのこと、同級生の優花ちゃんまでもが異世界へ飛びこんでしまいます。しかも、そこには人間の姿をした石像がたくさんあり、優花ちゃんも石像に…。ユイたちの能力も、今回明らかになり、ますます面白くなってきますね。長女であるユイを中心に話が進んでいくのかなぁ。そして、親族の厄介者の夜叉丸おじさんは、まだまだ信田家に災難をもたらすんでしょうね。2013/03/26
ミーコ
49
シノダシリーズ 図書館で見付けた順で読んでるので 前後するのですが、今回もハラハラドキドキ❢ 夜叉丸おじさん 原因を作ったのは仕方ないにしてもユイの友達が石になったまま 元の世界へ戻ろうとするなんて・・・ 今回は多目に見られない❗と腹立たしかったけど、ユイが友達を見捨てず もし、このまま逃げて帰ったら きっと一生後悔するんだ って言葉にハッとしました。作者が言いたかったのは そう言う事じゃないかな?と思います。乗り越えられない災いなんてない ユイの思いに励まされました。このシリーズ大好きです。2016/10/31