内容説明
その時計台にはいくつものうわさがあった。入リ口の扉から入る人はいても、そこから出る人を見ることはない。深夜三時にひとりでくると、池のペガサス像が翼をはばたかせる。時計台の先端に白フクロウがとまっているのを見た者は…時をこえた少年の日の友情を描いた幻想譚。小学校高学年から。
著者等紹介
斉藤洋[サイトウヒロシ]
1952年、東京都に生まれる。中央大学大学院文学研究科修了。現在、亜細亜大学教授。1986年『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞を、1988年には、その続編『ルドルフともだちひとりだち』(講談社)で野間児童文芸新人賞を受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞を受賞
森田みちよ[モリタミチヨ]
愛知県生まれ。イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わっぱっぱ
38
ヨーロッパには、本当に時間が巻戻ったのかと錯覚するほどに中世の面影を色濃く残した街がたくさんある。いま、その中にイェーデンシュタットもあることを私は疑わない。時計台の時計は壊れたままだろう。ペガサスの佇む噴水も。広場の賑わいや少年たちの夢は、今日も誰かの訪れを受けるまではひっそりと眠りについていることだろう。 長い時間をかけたさよならとありがとうの物語。名作。2017/10/22
ヤマセミ
27
タイムスリップの話なのだが、飛んでる感はなくて、静かで落ち着いた丁寧なつくりの物語。もの悲しいトーンは親友が亡くなったことを悼んでいる主人公の心色なのだろう。アルフレートは探偵みたいな洞察力を持った少年で、自分が死んだあと20年後の親友に語りかける方法を考えた。友情は時を超えて永遠。2016/09/08
mntmt
27
シリーズ2作目。時計台の謎。再会。手紙。ゾクゾクするほど、おもしろかった。2016/07/16
R子
22
とても良かった。クラウスは思い出の時計台で、友人のアルフレートに再会する。時を越えて。漂う静けさが色んな不思議を引き寄せていくようだった。最後の手紙では、アルフレートの賢さと抱えてきた想いに打たれて涙。『ドローセルマイアーの人形劇』『オイレ婦人の深夜画廊』も読みたい!2016/10/06
あおい
17
「ドローセルマイアーの人形劇場」に続く二作目。小児科医のクラウスが主人公。彼は不思議な時計台で大切な友人と出会う。ラストの切なさと温かさといったら…。とても素敵な物語です。2020/03/09