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内容説明
海抜3812mにある南米大陸最大の湖、チチカカ湖のなかにある小さな島スリキ島にポルフィリオの家がある。お父さんはアシ舟づくりの名人として、国内外に知られている。電気もガスも自動車もない暮らしだけど、子どもたちの声は明るく響きわたる。ひとりの子どもを中心にその家族の生活を長期にわたって取材、あるがままにとらえた、はじめての本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
itokake
10
南米最大の湖、チチカカ湖には大小41の島々がある。その1つ、スリキ島に暮らすアイマラ族のポルフィリオ、11歳。父はバルサ・デ・トトラ(葦舟)作りの名人で、ヘイエルダールが大西洋横断に成功したラー2世号にも協力した。ポルフィリオも葦舟に使う長い縄をすねをつかって器用になっている。カメラを向けると石を投げ、島の8割は近代医学を信じていない。朝、顔を洗ったり歯を磨く習慣もない。そんな1980年代のボリビアの一部を垣間見ることができた名作。Googleを見ると、今、島には素敵なホテルが…。一部ストリートビューも。2021/12/26
書の旅人
8
電気も、ガスも、自動車もない暮らし。私たちからすれば、なんて不便な生活なのだろうと思いがちだけど、その中で拘りを持ち、誇り高く生きる父の息子、ポルフィリオは明るくて、元気な少年。葦舟作りの名人と言われる父の仕事を手伝うポルフィリオには、葦舟に欠かせない、“心”と呼ぶ芯と同じものが、しっかりと備わっている。彼の作った舟に私も乗ってみたい。2017/02/20
のん@絵本童話専門
0
インディオの多い高地ボリビア、チチカカ湖の島で暮らす少年。病院、自動車、電気、あらゆるものがないない尽くしなのだが、取材の様子を読むに、伝統的な暮らしを守るため近代化を排除しているのかもしれない。学校も鉛筆も教科書もない、子供も一人前の働き手なので学校を休むのも進級できないのも当たり前のようだ。つつましく暮らしており、羊の放牧、畑仕事など伝統的な暮らしぶりは心豊かに見える。2024/01/25