出版社内容情報
女性でありながら戦士になりたい少女アサギ。彼女の父も勇敢な戦士だった。素直な語り口で一人の少女の成長を描く長編ファンタジー。
内容説明
アサギの村では、十二歳になると、女の子は女屋に、男の子は男屋にはいる。女屋では、結婚のための準備に余念が無い。一方、男たちは、村を守る戦士に選ばれるための修行に励む。アサギは女でありながら、戦士になる夢をあきらめきれない。彼女は掟を破って、ハヤという戦士から教えを受けようとするのだが…。小学校高学年から。
著者等紹介
森川成美[モリカワシゲミ]
2009年「アオダイショウの日々」で、第十八回小川未明文学賞優秀賞受賞
スカイエマ[スカイエマ]
児童書・文芸書の装画や挿絵、新聞・雑誌の挿絵などを幅広く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やな
33
死んだ父が起こした出来事が原因で、村から忌み嫌われている少女アサギが、男しかなれない戦士を目指す物語。途中イラストが挿入されたり、字が大きかったりで、間違いなく児童書なのだが、大人が読んでも大丈夫。とてつもなくシブい児童書。ラストもシブい。これ、最高やね。2021/12/11
annzuhime
30
院内の図書室本。シリーズ1作目。村人から避けられているアサギとその母親。その状況を変えるため、アサギは村の戦士になることを決意する。男のみがなれる戦士。女であるアサギは村人から認められるのか。なかなか面白かった。もっと細かく世界観を表現してほしい気もするけど、児童書の分類ならこれくらいが丁度いいのかな。アサギがやたらと時代離れした考え方だね。育った環境がそうしたのか、もともとの素質か。次が楽しみ。2025/03/02
杏子
20
この作者は知らなかったけど、面白かったです。ある村に住む少女が戦士になりたい、といろんな努力を重ねて、ついに…! 男は男屋へ入って戦士になる(ならない者もいる)、女は女屋へ入って誰かと結婚する。村の狩り手がとった獲物は村のみんなのもの、みんなが勝手にとりすぎたらどうなるか、掟となって人々を(がんじがらめに締め付け)戒めている、古代の風習。その掟を破ってまでなりたい戦士だったのに…アサギに新たな道は開けるんだろうか。続編がありそうな予感…。 2013/09/10
みよちゃん
18
アサギの置かれた状況に謎が。女である前に役に立つ人、特に戦士になりたい。そんな時、助っ人が。始まったアサギの暮らし。父の事。次巻へ。2021/08/19
おゆ
17
ものごとをありのままに見て、その意味するところを考える。ごくシンプルなこのモノノミカタが、実際にはどれほど難しいことか。こういう考え方の基本を児童書でわかりやすく教えてくれる本書は、とても貴重だと思う。終盤近くでの母親への対応を見ると、アサギはすっかりこの技を自分のものにしている。辛い日々にも腐らず、寡黙に努力を重ね、心に決めた目標をひたむきに追い続ける。もし他に選択肢があればこうはいかない、哀しい窮鼠だったのかもしれない。母親とは違う生き方を選んだアサギが、これからどんな成長を見せてくれるのか。楽しみ!2018/05/26
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- 子育ての書 2 東洋文庫