出版社内容情報
神さまが人間になってみた。人間の苦しみや喜びを実感して、ささやかな幸せを知った。ちょっとユーモラスでシニカルな詩集。あたたかで心安らぐ作品を描くライラントの最新刊。
目次
神さまがビューティスクールに行った
神さまが犬を飼った
神さまがボートに乗った
神さまがソファーを買った
神さまがスパゲッティを作った
神さまがお医者さんに行った
神さまが逮捕された
神さまが目を覚ましたら
神さまが風呂に入った
神さまがローラーブレードをやってみた〔ほか〕
著者等紹介
ライラント,シンシア[ライラント,シンシア][Rylant,Cynthia]
1954年、アメリカ、ヴァージニア生まれ。『メイおばちゃんの庭』(あかね書房)でニューベリー賞受賞。絵本、幼年童話、『ヴァン・ゴッホ・カフェ』『十月のみずうみ』『人魚の島で』(共に偕成社)などの短篇ほかで、高い評価を受けている
ささめやゆき[ササメヤユキ]
1943年東京生まれ。版画家として活躍する一方、イラスト、絵本、エッセイの分野でも多くの著書がある。講談社出版文化賞さし絵賞受賞。主な作品に『ガドルフの百合』(小学館絵画賞)など
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キジネコ
42
自分で拵えた世界で殺し合う兄弟のことが分からず神様は神様である事をやめて命と寿命と痛みと悲しみと、喜びを感じる人間になってみました。創造者として この世界に責任を感じる神様、次のを作るときには同じ失敗を繰り返さない様に・・・と考えた神様、今の世界を「失敗作」と考えてしまう事に心が痛みます。次の為に今を殺さねばならない事が悲しくて・・・ 皆さん、隣人をそっと観察してみませんか、もしかすると物や他の生き物の姿を借りた神様があなたを見つめているかも知れません。もしかすると神だったことを忘れたのは あなたかも? 2014/12/22
ぶんこ
38
この本全てが神様が色々な体験をした詩集となっていました。相変わらず可愛い神様。絵と訳詞をされた(ささめゆき)さんのあとがきに「シンシアさんの作品はいずれも恥ずかしげで、慎ましやかで、温かいのである。」と書かれていて、さすが言葉のプロ、言い得て妙でした。こんな可愛い神様なら、神を恨みたくなった時、思い出して自分を慰めよう。2019/10/29
がいむ
21
お気に入りさん何人かのレビューで見かけた『ヴァンゴッホカフェ』はいまだ”読みたい本”に登録したままだけど、この本も同じ作者でした。神さまについてというと構えてしまうけど、ユーモラスな詩として楽しみたい。「神様が映画を観た」「神様が本を書いた」「神様がケーブルテレビに加入した」が好き。でも終わり方は深くて感想は難しいな。2013/10/08
魚京童!
13
するとシーラは答えた 「死になさい」 シーラは頭のいい子 いつだって的確なアドバイスを言ってくれた 神さまはその忠告どおり 神さまでいることをやめてみた2018/04/29
遠い日
10
とっても知りたい人、ライラントさん。たった4つ上のかただと知って、俄然これまで以上に親近感がわく。天地を創造した神さまが、この地上ですることのいちいちが、人間臭くてくすりとする。多分、聖書やキリスト教を熟知していないとわからないエピソードがたくさんあるはずなのだが、わたしはいくつかしか思い至らなかった。それでも、神と死についての言及は深く哲学的だ。生きるということはアンビバレンツな両面を持つ。人間はそこから逃れられない存在だと、知ってくださった神さま。ささめやゆき氏の挿絵も訳も、あっさりとしていい味だ。2013/11/30