出版社内容情報
島で暮らす孤独な少年は、ある日人魚に出会い、小さな鍵をもらう。鍵は、危険や救いを求める声に応じて、震え、小さな命を守る。海からの贈り物の物語。 小学校高学年から
内容説明
ぼくが人魚に会ったのは子どものときだ。浜べでひろった人魚のくしを手に待っていると、人魚はすぐそこまで近づいてきて、ぼくの名を呼んだ。「ダニエル。」島に暮らす孤独な少年は、人魚からもらった古い小さな鍵に守られて、大人になっていく。ニューベリー賞作家がおくる海の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
42
今手元にあるシンシアさんの最後の本となってしまいました。さみしい。両親を亡くし祖父との2人暮らしをするダニエルが、ある日人魚と出会い錆びた鍵を得る。大きな嵐に襲われた島の人々を祖父と一緒に手助けするうちに、他人との交わりを覚える。孤独の寂しさを知り、人の温かさを知ったダニエルが、人魚からの鍵の助けを借りて、迷子になった幼い女の子を救います。その鍵は、家族となる素敵な犬との出会いもありました。シンシアさんの、静かななんということのない幸せな生活の温かさに溢れている本でした。2019/10/29
にゃんこ
24
全体に、静かな、でもとても力強い感じの物語です。 人魚に出会う…という、不思議な体験を通して、主人公:ダニエルの成長が描かれています。 終盤、ダニエルと人魚の出会いの必然性が分かり、物語の中のいろいろな事が繋がって… 読後、とても優しい気持ちになりました。2014/09/25
星落秋風五丈原
22
僕が初めて人魚に逢ったのは子供の時だ。浜辺で拾った人魚の櫛を手に持っていると、人魚はすぐそこまで近づいてきて、僕の名を呼んだ。「ダニエル。」島に暮らす孤独な少年は、人魚からもらった古い小さな鍵に守られて、大人になっていく。2003/05/16
みさどん
19
人魚とあるけれど、不思議な結びつきといった感じのお話。「人魚の鍵」って題になぜしなかったのだろう。主人公ダニエルが島で祖父と暮らし、穏やかに生活を営んでいく。これは表紙や挿絵が写実的なもののほうが合っていたのではないかな。鳥や犬が出てきて、生き物と心通わせる話って、やっぱり好きだあ。2016/08/28
おはなし会 芽ぶっく
18
カナダ西部の30世帯ほどのコキール島に住むダニエル・ジェニングスの子どもの頃のおはなし。島で彫刻で生計をたてる祖父と二人暮らし、他の家族と行き来もなく、船で学校にも通っていない。海辺で暮らしているのに、海にはさほど興味を持たなかったダニエルが浜辺で見つけたもの、それは人魚の櫛。人魚との出会い、祖父との関係性、初めての嵐とファンタジーと現実がダニエルを成長させていくのがわかる。2022/04/17
