内容説明
クワガタムシを飼う少年とそれを見守る母のさわやかな心の交流。生命の尊さをうたいあげた三夏の記録。小学中級以上向き。
著者等紹介
中島みち[ナカジマミチ]
1948年東京都立武蔵高女卒。53年東京女子大学英米文学科卒、TBSに入社。59年退社、フリーとなる。その間、放送関係の各種賞を受賞。70年中央大学大学院法学研究科修士課程修了。同年夏、乳ガン手術。その後、安楽死、生命倫理、医療制度等、医療と法律の接点となる諸問題について執筆、現在にいたる。94年第42回菊池寛賞受賞。『クワガタクワジ物語』で75年第1回ジュニア・ノンフィクション賞受賞。78年学研映画化
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
85
その昔子供の感想文用に買った本。児童書なのですが、大人が読んでも面白い。フィクションかと思いましたが、「岳物語」のような、作者のお子さんのお話なのですね。とにかく虫が大好きな昆虫少年の太郎君。自分が捕まえたクワガタに名前をつけて飼っていた三年間のお話。自分も子供の頃、夏になるとカブトにクワガタ採りに夢中になり、自宅で飼っていたことを思い出しながら読みました。太郎くんのお母さんの入院とコクワガタ「クワジ」の死の場面は泣けてきます。★★★★
takaC
41
あとがきによるとフィクションではなく実話なのですね。良書。でも挿し絵はカブトムシとかクワイチの右中脚とか細かい点でストーリーと合ってないかも。2013/08/26
うー(今年も遅くなります)
24
小2の6月、念願のクワガタを3匹つかまえることに成功、飼育を始めた太郎。母親と一緒にクワガタを観察し、愛でる。太古から現代まで、自然の中で生きる物たちに心を馳せる事ができる太郎は凄いし、さりげなくそれを気付けるようサポートしている大人たちも良い。クワガタ3兄弟の中で3年間生きた次男クワジの最後に胸が熱くなった。2021/08/09
こゆ
16
小3が学校図書室で借りてきた本。息子一人読み後、「面白いし、初めて本で泣いたからお母さんも読んで」と強くおすすめされたので、母も一人読み。ファーブル昆虫記のような細かい観察記録と、クワガタが大好きな昆虫少年の物語が絡み、確かに面白かった。主人公の太郎くんはなかなかにヤンチャな少年のようだけど、取ってきたクワガタの面倒をしっかり見たり、虫に思いを馳せたりと、根はすごくいい子。そしてお母さんがまた素晴らしい!虫を一緒に可愛がったり、クワガタのために博物館に行ったり旅行に行ったり…と、子供と一緒に昆虫ライフを2023/01/23
花林糖
12
(図書館本)息子(年長)が図書館の昆虫コーナーから読めないのに何故か借りた本を読みました。著者の息子の太郎くん(仮名)が小学二年生~四年生のクワガタ飼育体験をまとめたもので、挿絵は物語を書き上った当時に中学生だった太郎くんが当時の絵日記を元に描いたもの。太郎君の絵が上手くてビックリ。2020/01/04