内容説明
田んぼでカエルを撮影していて、沼に向かう看板をみつけたカメラマンのタケシン。沼はもしかしたら、大学生のときに先生が「生きものの楽園」だと話していた沼かもしれない。しかし行ってみると、そこは、季節によって草原になったり沼になったりする、ふしぎな場所だった…梅雨の時期、木や草が沼にしずむようすを見て、話は「空気や水蒸気」「雨」にはじまり、「環境と生き物」、さらに「火山」「大地」のつくりの変化にまで広がる。小学校中学年から。
著者等紹介
武田晋一[タケダシンイチ]
1968年、福岡県生まれ。福岡県直方市在住。山口大学と山口大学大学院で生き物のことを学んだ後、生き物の写真家としてスタート。日本自然科学写真協会(SSP)会員
ボコヤマクリタ[ボコヤマクリタ]
1970年、兵庫県生まれ。イラストを中心に、企画を立てたり、絵や文を書いたり、まとめたりという、本を作る仕事をしている。『凹工房(ぼここうぼう)』の名前でも活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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遠い日
3
「水と地球の研究ノート」シリーズ第3巻。カエルの撮影から始まった今回の探求。作者武田さんが学生の頃に聞いた「水辺の生きものたちの楽園のような沼」を求めて歩く。おぼろげな記憶から探る「地倉沼」。山奥に開けた場所には、小川の流れしかない。そこが梅雨の時期に沼になる不思議を追い続ける武田さんの熱意がすばらしい。水に浸かる木々。そこに集う生きものたち。不思議な風景の中にある命の営みが美しい。生も死も厳然と在る、期間限定の地倉沼の成り立ちもまた、火山や地球の環境変化まで繋がっていくおもしろさ。自然は、凄い!2014/09/29