内容説明
砂漠の王国、キンダの王子ワリードは貧しい絨毯織りの詩によって、夢と名誉をうばわれてしまう。憎しみにかられ、ワリードはその男に難題をもうしつける。人類の歴史をすべて織りこんだ絨毯をつくれ、と。それは、成しとげられない命令のはずであった…。スペインのバルコ・デ・バポール児童文学賞にかがやき世界八カ国で翻訳された、傑作歴史ファンタジー。小学校高学年から。
著者等紹介
ガルシア,ラウラ・ガジェゴ[ガルシア,ラウラガジェゴ][Garc´ia,Laura Gallego]
1977年、スペインのバレンシアに生まれる。バレンシア大学で学びながら、21歳のとき『この世の終わり』でバルコ・デ・バポール児童文学賞を受賞し、デビュー。『漂泊の王の伝説』で二度目の同賞受賞を果たす
松下直弘[マツシタナオヒロ]
1953年、愛知県に生まれる。上智大学大学院修士課程修了。現在、拓殖大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アクビちゃん@新潮部😻
57
【図書館】スペイン作家さんがアラビア半島を舞台に書いた児童文学です。 小学生が、この本を読んで何をどう思うのか、とても知りたーい❢ 王子を教訓とするのか、ただの壮大な物語と捉えるのかな? ただ、王が王子に言った「よく聞け。我々は皆、自分がすることに責任がある。良い行いにも、悪い行いにも。そして人生は必ずお前のした分だけ返してよこす。忘れるなよ。人生は、その償いをさせるということを」この言葉を覚えておいて欲しいな〜。2021/01/25
MOCCO
12
★★★★★:友人推薦の児童書。読み終わると、自分の人生において、今までに経験した岐路を振り返らずにはいられない。私にとっての「責任」は何だろうと意識せずにいられない。何度も「責任」を負う道へと突き返されながら成長していく主人公の姿が、非常に凛々しく、眩しい。2014/09/10
ネジとサビ
10
馴染みのないスペインの児童文学。馴染みのなさは新しさを感じさせ、砂漠の民や宗教感、文化が入り混じり、読まなくちゃと読み始めたけれど、ぐいぐい引き込まれて一気読み。後半物語を回収していくところより、前半の王子の嫉妬心、生まれとは関係なく、美しい詩を生み出せる絨毯職人とのやり取りが面白かった。 だた児童に勧めるとなると…人を選ぶ気がするなぁ。2020/10/24
よきし
10
アラブを舞台としたスペインの児童文学。詩を愛したアラブの世界で、詩によって足を踏み外した王子が、長い遍歴の後、その犯した罪を悔い、許される物語。生きるということに向かい合った名作。人は容易く憎しみに囚われ、容易く道を踏み外す。一度犯した罪はついて回り、なかった事にはできない。しかし、真摯に向かい合い生きていくことで人は罪を乗り越え、より前に進むこともできるのだと教えてくれる。2012/01/05
Koike Katsuya
7
物語を読む喜びを十全に感じられた。この本を子供の頃に読めたなら、それは本当に幸福な読書との出会いになるだろう。2017/06/04
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- 和書
- 十二支えほん