出版社内容情報
横浜から山口に引っ越すことになった、小学4年生のえり。ある日、じいちゃんのすすめで、じぶんだけのちいさな畑をはじめることになりました。
そこで出会ったのは、ふまれても飄々と生きる雑草たちや、ももの木のうえから細かな毛を飛ばしてくる〈もものけむし〉、台風のまえの巣づくりで手ぬきをするクモ……都会から地方にやってきた少女の、みずみずしい視点でとらえた自然のすがたを手紙にして、横浜にくらす親友のエミへ送ります。
畑で見聞きしたこと、あたらしい生活のことに加えて、手紙の内容は、横浜の小学校で不登校になってしまった、ふたりの幼なじみ・けんちゃんのことに。部屋にこもってしまったけんちゃんに、ふたりができることとは……。
ふたりの少女の手紙のやりとりをとおして、自然のふしぎと、いじめをとりまく子どもたちの心の動きを繊細に描いた作品です。
内容説明
横浜に住むエミと、山口に引っ越したえり。ふたりの少女の手紙のやりとりを通して描く自然のふしぎと、いじめに向きあう子どもの心。小学校中学年から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
71
児童書。YA。横浜から山口に引っ越したえりが、幼馴染のエミに手紙を書く。エミも横浜の学校のことや、同じく幼馴染のけんちゃんのことを手紙に書いて返信する。ふたりの往復書簡。▽えりは祖父から任された自分の畑に、ハーブやイチゴや野菜を植えて育てる。草抜きや虫たちのこと、イノシシや鳥たちのことを書きながら、残してきたけんちゃんのことを考える。どうやらけんちゃんは、イジメが原因で引きこもりになっているようだ。▽良本2020/06/18
tan
32
転校して離ればなれになった仲良し2人の文通を通しての友情物語。えりが畑作の知識を手紙に書いてくれるので私も色々知らなかったことが分かりました。転校前の学校でのイジメ問題や、個性の強いまるもさんなど今時の学校事情も踏まえての読みやすい作品でした。2024/01/12
白雪ちょこ
26
見た目は可愛らしい話かと思っていたが、結構シリアスで、いじめがテーマにもなっている。 えりとエミの2人の手紙のやり取りによって、内容が進んでいくわという斬新さもあった。 イラストも、まるで2人の絵日記のような独特な味がわいがあり、ほっこりとさせられる 。 畑などの知識も学んでいき、2人の成長記録なども描かれていた。 最終的に、いじめられていたけんちゃんが、少しずつだが外に出て行こうと頑張っている姿や、ようやく出会えたというような終わり方も、とても良かった。2023/09/21
杏子
22
面白かった。家族で横浜から山口へ引っ越したえりと、元の学校の友だちエミとの手紙のやりとりだけど。畑を通じていろんなことを学んでるえり、クラスでいじめにあい、不登校をつづけているけんちゃんの心を取り戻そうと頑張ってるエミ、どちらもいい。遠い山口と横浜との距離が手紙を交わすことで一瞬で通じてしまう感じ。いいね。私も山口へ引っ越した時のことを思い出した。えりのお母さんの気持ちわかるわ。虫ぎらい。2019/07/14
うー(今年も遅くなります)
20
祖父が倒れ急遽、横浜から山口に家族で引っ越してきたえり。幼なじみのエミとの文通で話が進んでいく。 田舎で大きな畑をじいちゃんから任され、馴染みのなかった自然に少しずつ触れていくうちに、えりは横浜でのもう一人の親友 不登校になったけんちゃんのことを冷静に考えることができるようになってくる。何が起ころうと「ほうほう、そうきたかぁ」と越えていく物知りなじいちゃんが良い味だしていた。2020/02/02