出版社内容情報
古今・新古今和歌集の秀歌100 首を選び、歌枕を断簡などの写真をそえて、和歌の精髄を鑑賞できるよう工夫をした魅力の一冊。 小学校中学年から一般むき
内容説明
本書は、三千首にもおよぶ『古今』『新古今』両集の中から、秀れた歌百首を抜き出し、その鑑賞を試みたものです。
目次
春の歌
夏の歌
秋の歌
冬の歌
旅と別れの歌
悲しみの歌
恋の歌
人生折々の歌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
190
《見わたせば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ》…新古今和歌集を読んだのは随分昔なので忘れていたが、ふとこの歌が気になった。海岸に花や紅葉がないのは当たり前だが、気づきの「けり」が使われているから、歌中の人は花も紅葉もあるはずだと思っていたと読める。夢でも見ていたのだろうか。「見わたせば」が貴人の動作だとすれば、海浜に流れ着いた侘び人やら敗将やらが、花・紅葉の幻から我に返ったとも取れる。奇抜すぎるというべきか、定家ならではと評すべきか。で、本書で調べたら、これは源氏物語明石巻からの物語取りのようだ。2024/04/11