出版社内容情報
幼くして亡くなった兄と、想像力をはばたかせて遊んだ日々をみずみずしい文章で綴る短編集。 小学校高学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
25
大好きなお兄さんと妹である作者の幻想世界です。 本当にあった思い出かもしれません。 子どものまま死んでしまったお兄さんを思い出すから、心の中でイメージが膨らんだのかもしれません。 どのエピソードも、幼い頃の二人だけの世界です。 なんだか憧れてしまうけれど、ほろ苦い世界です。 ピュアだなぁ。2021/03/18
ツキノ
20
11歳で亡くなった2歳年上の兄。「一心同体」だったという兄と妹の日常のひとコマ。「はしか」「きつね」「かんらん車」「しか」「汽車」。幻想的。白黒のイラストもいい。「まるごと佐野洋子展」のガチャガチャ缶バッジでこの本の中から観覧車のシーンが紫色で印刷されたものが出た。とても素敵なのだ…2015/08/10
ochatomo
16
1948年2つ違いの兄が11歳で亡くなった 外地で二人きり遊んだ幼時を懐かしむ、可愛らしく不気味な幻想を描いた追悼本 表紙以外の挿絵はセピア色のパステルで印刷は黒 1982刊2019/08/13
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
11歳の時に亡くなったお兄さんとの子どもの頃の思い出をつづった5編の短編集。2023/05/16
ここ
4
自己と他者、現実と夢との垣根のない、幼い時分の世界がよく描かれている。無邪気に兄と時を過ごす際にわきおこる感情の甘さも苦さも、それを読む者自身の過去と彼らへの愛おしさとなって、あらゆる世代の共感を得るのだろうと感じた。最後の再会と約束は、死というモノへの幼さゆえの認識で、残酷なまでの切なさに涙腺が緩む。あとがきの最後でよりくっきりするこの作品のモチーフが、不可分の関係として共に生きてきた兄への追慕と同時に、二人の戯れを通して読者にも花を手向けさせた幼子へのレクイエムであるという事に心打たれる。2022/10/28
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