出版社内容情報
電話がなったから出てみれば、なんとお父さんのたいせつにしている「帽子」からだった! 奇妙なお話がテンポ良く描かれ、思わず引き込まれる一冊。はたして帽子はなんのために電話をかけてきたのか……。1974年に出版された絵本の新装版。
内容説明
とつぜん、電話がなった。「あっちゃんのおとうさんですか?」「はい、そうです」「青いしましま帽子いますか?」「…いま、いないんです」「また、わすれてきたの?ちゃんと頭にかぶっていなかったの?どこかにおいてきちゃうなら、コーヒー屋になんかよらなければいいんだわ」「…!」「帽子から電話があったら、よろしくね。あっちゃんにもよろしく。さよなら」小学校中学年から。
著者等紹介
長田弘[オサダヒロシ]
1939年福島生まれ。早稲田大学在学中より詩を発表。詩誌の編集にも携わる。詩集に『深呼吸の必要』(路傍の石文学賞)『世界はうつくしいと』(三好達治賞)『奇跡‐ミラクル‐』(毎日芸術賞)など、絵本に『森の絵本』(講談社出版文化賞)などがある。2015年没
長新太[チョウシンタ]
1927年東京生まれ。漫画家、絵本作家として、数々の作品を発表。絵本に『はるですよ ふくろうおばさん』(講談社出版文化賞)など、挿絵に『おしゃべりなたまごやき』(文藝春秋漫画賞)などがある。2005年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリー
77
へんてこなタイトル&素敵な帽子の絵に惹かれて手にとってみれば、長田弘さんと長新太さんのコラボ作品ではありませんか。本の袖には長田弘さんが鳥打ち帽を頭に乗せて自由の女神をバックに撮影した記念写真が掲載されています。長田さんはこの時このお話の着想を得たのでしょうか。自分のやりたいこと、行きたいことこがどこか分からなくなってしまった大人を皮肉っているようなお話でした。2021/07/03
けんとまん1007
58
そうそう、これぞまさしく一体化したもの。日頃、何気なく見につけることが当たり前になっているもの。もう、それは、身体の一部になっている。でも、時々は、忘れてしまうことも。そんな時には、不可思議なことが起こったりする。何となく・・・あそこにあるんじゃないかなあ~・・・と、周囲が気づいたりする。思わず、最近の自分は・・・と、考えてしまった。2022/11/03
ちえ
34
長田弘さんと長新太さんの組み合わせで1974年に刊行された本をあらためて去年刊行された本。レモンイエローと水色のさわやかな組み合わせがおしゃれ。お話も70年代を思わせる感じ。(今はみんな携帯だしね)「とっても大事でひみつの帽子」のわけを聞いての「ぼく」のがっかり感にくすっとなる。さすが長田さん、ちくりと皮肉ってるなあ。最後のページの絵ハガキがなぜか懐かしい(笑)2018/07/21
anne@灯れ松明の火
33
遠い方の新着棚で。長田さんと長新太さんのコラボ。これは読むしかない♪ (長という字が並んでいて、なんだか楽しい♪) お父さんの帽子から電話がかかってくるって! よくぞ、こんなことを思いつくものだ(笑) 私も電話が苦手だから、あっちゃんの気持ちがよくわかる。楽しいお話の中に、長田さんのメッセージがさりげなく、でも確かに、込められている。長さんの絵は、シンプルすぎるほどシンプル。でも、最後の絵なんて、本当にうまい! ヘタウマって言葉もあるけれど、画力があるからこそ、描ける絵だよね。2018/02/04
anne@灯れ松明の火
28
コメントをいただき、再読。隣市で。電話が苦手な あっちゃん。両親が出かけていて仕方なく出たら、なんと相手は、お父さんの青いしましま帽子! お父さん曰く、この帽子がないと困る! 一体、どんな秘密があるのか? 気になったら、読んでみて♪ 長長コンビのゆるくて、もしかしたら深い???おはなし。2021/07/05
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