出版社内容情報
あるとき、すこしだけ地面から浮いている石を見つけた女の子。だれも知らないこのふしぎな石を、調べはじめると……。あるとき、女の子はほんのすこしだけ地面から浮いている小石を見つけました。不思議に思ってしらべはじめますが、誰に聞いても、本を読んでも、「うかぶ小石」のことはわかりません。でも、女の子がよく探すと、うかぶ小石はいろんなところですこしずつ見つかって……。木炭と鉛筆による緻密なタッチの絵で、女の子の小石への思い、小石が集まってからおこったとくべつなできごとを、繊細にえがきます。小さな身近なものへ寄せる思いが、遥か彼方にあるものへの思いへとひろがっていく、新人作家の鮮烈なデビュー作。
しおたにまみこ[シオタニマミコ]
著・文・その他/イラスト
著者等紹介
しおたにまみこ[シオタニマミコ]
1987年千葉生まれ。背景美術制作会社勤務を経て、絵本の制作をはじめる。2014年第15回ピンポイント絵本コンペ優秀賞受賞。『そらからきたこいし』がはじめての絵本(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佳音
93
不思議なお話。幻想的。現実的な子。空想が好きな子。この作品は、子供によって様々なイマジネーションが広がるから語り手も面白い。あちらの要望で、ボランティアが絵本を選び読み聞かせしている。中学年にしたら大当たり。どんどん考えてつっこんでもらいたい。京極の絵本と似てかつモノトーンだから怖くないのに怖いと思う子もいるから言葉は遮らない。聞いてほしいところは、誰がか「ここはお話を聞こうよ」と言うので私が「ここは確かに。正解。」というと、まだ聞く力の弱い子も静かに聞いて「あーそゆことね」と言って読み取って先に進む。2018/11/23
seacalf
92
お気に入りの絵本『さかなくん』のしおたにまみこさんのデビュー絵本。この作品も好き。ショーン・タンのような独特の世界観に引き込まれる。宙に浮かぶ小石をめぐる素朴な日常に溶け込んだ非日常なストーリー。ページをめくると神秘的な夜や不思議な出来事を身近に感じられる心地よさに包まれる。2024/08/02
愛玉子
68
鉛筆で緻密に描かれたモノクロの世界に、ふわりと浮かぶ淡いブルーの煌めきがとても美しい。世界の不思議に少しだけ触れた少女の、幻想的で繊細な物語。絵の視点があちこち変わるのだけれど(遠くから、背後から、俯瞰、足元など)それがドラマチックな効果を上げているので、読み聞かせにも使えそう。ほぼ実物大で描かれた子どもの手は、爪がやや肉に埋もれてるむっちりした感じ、あれがものすごくリアルに描かれていて思わず触りたくなる。作中の石の図鑑がとても素敵だけど、実在しない石も混ざってるね?(笑)でもあの図鑑、売ってたら欲しい。2023/02/09
とよぽん
64
「たまごのはなし」で知ったしおたにまみこさんの、これがデビュー作という。モノクロである故に、細密な点描がさらに夜の景色を美しくしている。部屋の中や建物、夜空など視点の高さが大きく変わるのも面白く、もちろん物語もファンタジックで面白かった。表紙のタイトル文字があのようになっているワケ、最後に合点した。モノクロにあの青が輝いて、まるでハナちゃんの希望のように。2022/01/27
☆よいこ
63
ある夜、ハナはひかりながら落ちてきた[浮かぶ小石]を拾った。石のことを調べるために図書館へ向かう途中、ハナはまた小石を見つける。ハナは少しづつ[浮かぶ小石]を集めていった。▽図書館で見た「変わった形の石」の図鑑に、浮かぶ石は載ってなかったけど、それ以外の石は実在するのかな?「黄鉄鉱」は見たことあるけど、「オケナイト」とか初めて聞いた。モノクロでシンプルな絵本だけど、石好きにはたまらないかも。けっこう好き。2018/10/26
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