出版社内容情報
その日は朝から雨。お母さんは急ぎの用ができてしまい、出かけるしたくをしています。そこへピンポーンとベルが鳴り、なおちゃんが玄関をあけてみると、「どうも、かっぱです」と、緑色のおかしな生き物が立っているではありませんか! お母さんは「かっぱさんとお留守番しててね。きっとすごーく楽しいから」といって出かけてしまいます。こわくてテーブルの下に隠れたなおちゃんに、かっぱが声をかけました。「なおちゃん、今日はピクニックびよりですよ。」「雨なのに?」「雨だから。」
雨音に耳をすましたり、雨がいっぱい降らないと辿りつけない秘密の場所で遊んだり、雨に洗われた景色を見ながらおやつを食べたり……かっぱが案内する雨の日のピクニックは、すてきなことがいっぱい! 最後には「雨の日にみんなで雨やどり。これ、最高のぜいたくです」というかっぱの言葉が、しっとりと味わい深く心に残ります。
すみずみまで精密で、かつスケール感のあるファンタジックな絵が目にも楽しい、作者渾身のデビュー作です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
207
梅雨の時期に相応しい絵本を見つけたので、読みました。著者の処女絵本とは思えない完成度の高さ、美しく楽しいファンタジー絵本です。 https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/a/ath/ath2006/2020/07/03
はる
66
今の季節にぴったりですね。絵が凄~い!細かな部分まで丁寧に描かれていて引き込まれます。特に森や木の細かさ。色もとても綺麗で、画面いっぱいの緑に圧倒されます。物語も夢のようで、好みなはずなのですが…かっぱが可愛くない!ていうか怖い。妙に生々しくて…そのせいで最後まで楽しめず。でも絵は魅力的なので次回作も読んでみたいです。2020/07/07
ままこ
63
雨の日はカッパがピクニックに連れて行くのが当たり前の斬新な設定。夢のある楽しいお話だけど、いきなり来られたらびっくりするよね。2024/06/14
とよぽん
56
緑と水でしっとりした世界。かっぱの世界と人間の世界が交わるスポット(時空)を描いて、優しい気持ちを思い出させてくれる。人間が日々の生活で忘れていたものを振り返って見せてもらったような気がする。かっぱの語る言葉が丁寧で、心が落ち着く。なおちゃん、雨の日のお留守番をかっぱさんと楽しく過ごせてよかったね。細密に描き込まれた絵が素晴らしい!2021/07/01
chiaki
42
雨の日に読み聞かせ。なおちゃんに、雨の日突然家にやって来たカッパと留守番を言い渡すお母さん。笑 カッパとなおちゃんは、おにぎりを準備して雨のピクニックに出掛けます。大きな木の上のアスレチック、子どもにとっては夢のような遊び場。絵がとてもみずみずしくて綺麗でした。2020/11/02