内容説明
大きな町の小さな家に、おばあさんと猫がすんでいました。窓からみえるのは、灰色のたてもののかべばかり。「すてきなおそとがあったらな」それが、ふたりのねがいでした。そんなある日、おばあさんがいいことを思いつきました。そして冬の夜だけあらわれる、ひみつのおそとができたのです―。5歳から。
著者等紹介
角野栄子[カドノエイコ]
東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業。2年間のブラジル滞在後、童話の創作を始める。『大どろぼうブラブラ氏』で産経児童出版文化賞大賞、『魔女の宅急便』で野間児童文芸賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞、『わたしのママはしずかさん』『ズボン船長さんの話』で路傍の石文学賞を受賞
市川里美[イチカワサトミ]
岐阜県生まれ。1971年パリに渡り、独学で絵をまなぶ。優しく繊細な描写に独自の世界を持つ。講談社出版文化賞絵本賞、サンケイ児童出版文化賞美術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるぽん🐰道草中🐱
46
チラおばあさんと猫のねこちゃんの住んでいる小さな家のまわりは、高い高い建物ばかり。おひさまの光が届かなくていつでも暗い。でもね、チラさんとねこちゃんはとっても仲良く暮らしていたし、その家には窓がたくさん!その窓でのささやかな楽しみもあり、いつか叶うといいなっていう夢もあって…☆あ~正直表紙がね、もっと違うのがなかったのかなって思ってしまいましたが、お話も結末も絵も素敵でした。市川里美さんの描かれる他の絵本も見てみたいです♪2016/02/17
どあら
37
図書館で借りて読了。表紙から勝手にコワイ本かと思っていましたが、ハッピーエンドで一安心です😊2021/02/02
みさどん
30
暗い表紙と角野さんで、戦争ものと思っていたら、窓の外、日照権に関わるお話だった。曇りガラスにかわいい絵を描くところなんて、子どもの設定にしてもよかったろうに。おばあさんと猫が慎ましく暮らしているってだけでいい。窓から見える景色で、日々の精神状態は変わりそうだと改めて感じてしまった。2020/02/11
ヒラP@ehon.gohon
29
外の景色が見えない家って、世界が閉ざされていて、とても暗い感じがします。 でも、見えるのが建物の壁や落書きばかりというのはもっとつらいでしょうね。 そんな時、外の景色が見えないことが、とても幻想的な世界を作ってくれたところに、おばあさんの細やかな喜びがありました。 このおばあさんの包容力に爽やかさを感じます。 でも、やっぱり自然に囲まれた家の方がずっとずっと良いですね。2016/11/27
パフちゃん@かのん変更
29
怖そうな話かと思ったら、ネコと仲良く暮らすおばあさんの話でした。寂しくはなくて暖かい気持ちになります。2013/06/09