出版社内容情報
船乗りの父さんが航海に出たあと、母さんはその帰りを待ちわびるだけ。まだあかんぼうの妹は、姉さんのアイダが子守りをしなければなりません。ところが、よそ見をしていたすきに、その妹がゴブリンにさらわれてしまいました。アイダは母さんのレインコートをきて、ホルンをポケットに入れ、妹の救出に向かうのですが、窓を出るとき、うっかり後ろ向きに出たために、〝ふわふわふわのうわのそら〟をさまようことになりました。
精緻に描き込まれた絵が読者を物語の奥へ奥へと誘う美しい傑作。
『かいじゅうたちのいるところ』『まよなかのだいどころ』とともに、作者自身が自らの3部作とよび、全米図書賞を受賞したモーリス・センダックの代表作。
人と人がむきあわない今の時代に、センダックから届いた美しい手紙
さあ、あなたは大切な人と見つめあって歩いていけますか?
内容説明
『かいじゅうたちのいるところ』と『まよなかのだいどころ』そして全米図書賞に選ばれたこの『父さんがかえる日まで』でモーリス・センダックの三部作が日本語で完成しました。これを読まずしてセンダックは語れません。人が人とむきあわない今の時代に、センダックから届いた美しい手紙。あなたは、大切な人と見つめあって歩いていけますか?5歳から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
43
ちょっと抜けているが、勇敢な少女アイダのお話。ゴブリンにさらわれた妹を探して助け出す。センダックの絵が、風景は良いが人物については多少違和感があった。お母さんの存在感が薄いのが気になる。2020/01/25
Smileえっちゃん
42
図書館本。絵は丁寧に書かれていますが、赤ん坊に化けた赤ちゃんの絵が怖かったです。コブリンって何者?2020/10/28
Shoko
36
本屋さんでパラパラと。かつて『まどのそとのそのまたむこう』として出版されていた本がアーサー・ビナードさんの訳で新しく出たもののようです。船乗りのお父さんは海に出て、しばらくうちには戻って来ません。そんな中、妹をゴブリンにさらわれたアイダが、妹を取り戻そうと奮闘する物語。 母親が鬱っぽくて大丈夫かなと気になる。アイダはしっかり者のお姉さんでした。2019/12/02
たまきら
30
映画「ラビリンス」を思い出しました。女の子はどうしてこんなに早く大人にならなくてはいけないんだろう?ともやもやしたっけ。十代で妊娠したら、子供を育てるのは9割以上女子。今、目の前の問題を解決する必要が生じた際、いつも女子が自分を犠牲にする気がする。男性もそうなんだろうか…。娘は絵がかわいいので楽しそうに読んでいました。2020/07/01
れっつ
28
既刊の脇明子さんの訳より、文章量も増え、説明的な意味としてはわかりやすくなったアーサー・ビナードさんの訳。特徴的なグレーのフォントから、収まりの良い見やすいフォントになり、紙質もツルツルから、多少マットなしっとりさらりに。また本体は赤い布で覆われていたが、これは本体もカバーと同じ絵が描かれている。絵やお話の中身は同じで、タイトルや訳者、本の作りなどを変えて今、再刊されたのは何故か、知りたい…。2019/12/11