出版社内容情報
ゆりかごもおもちゃも愛着をもっていた自分のものが、次々と妹のものになっていく。幼児の心の成長を描きます。 3才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
293
エズラ・ジャック・キーツ 作。キーツはニューヨーク生まれの絵本作家。お話はピーター(長子)が、次子の誕生に自分の居場所が喪失するのではと不安になり、プチ家出を試みるというもの。タイトルにもなっている「いす」は、もちろんピーターのアイデンティティの象徴である。父と二人でそれをピンクに塗ることでめでたく新しい家族の誕生。絵はコラージュの技法を用いているが、それは個々の人物や道具類をクッキリと際立たせる為だろうか。たしかにその効果はある。2024/11/10
紫綺
103
お話的には、よくある妹が生まれてかまってもらえず拗ねるお兄ちゃんの図。うまくコラージュ(和紙も使われているらしい)を使い、優しい絵に仕上がっている。色使いもきれい。2014/03/22
tokotoko
54
この本は、妹や弟が生まれてちょっと寂しくなってるお兄ちゃんとか、「ちょっと最近、寂しいなぁ~」って思ってる大人の方にピッタリです。ピーターに妹が生まれ、父さんも母さんも、家の中も、新しい妹の色に染まっていきます。寂しくなっちゃったピーターは・・・。寂しさが違う気持ちへと変わっていく時の、ピーターの行動が可愛くてちょっと切なくなって、最後にはあたたかくなります。そして、この本、はりえでできてます。古い時代の本ですが、材料に何と!日本の和紙が使われているって!質感の美しさにもぜひ注目してください。2014/07/25
chiaki
46
生まれたばかりの妹のために自分の使っていたゆりかごにベッドに食堂椅子を全部ピンクに塗り替えられたピーター。"ちっちゃいときにすわったいす"だけは守らなくては!といすを抱え、犬のウィリーと共に家出をします。でも…ウィリーはもうお兄ちゃんだからそうなるよね♪自分から言えるウィリーの心の成長をとてもたくましく微笑ましく思います。キーツのコラージュには和紙も用いられているそうで、どことなくせなけいこさんにの絵にも似た暖かさを感じさせられる♡2021/01/20
たまきら
39
読み友さんの感想を読んで。ピーターくんのお話はシリーズなんですねえ。あたたかな色味の切り絵はデザインのセンスも抜群で、うっとりしました。作家さんはずっとアフリカ系のこの絵本を作りたいと思っていた、という後書きにえ?と思ってよく見たら、作家さんは白人系だったんですね。2024/11/30