出版社内容情報
就寝前のひととき、母親が幼い子どもの質問に応えて、自然の限りのない営みを教えます。絵と言葉が、みごとにひびきあった絵本。 4才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
198
どんなものでも始まりと終わりがあるの。でもまた始まるの。ずっと消えてしまうような終わりはないのよ。母のやさしさに微笑みを浮かべて空を見上げます。今ここにある雲も、空の向こうへ行ってから別のところで影をつくるのよ。風が吹いて葉が落ちて寒い冬を過ぎても、鳥たちが戻ってきたら春風がやってくるのよ。今日という日はお日さまが沈むころ茜色になって少し切なくなるでしょう。そして夜が始まるの。細い月が見えるでしょう。今日は終わりに近づくの。おやすみなさい。目が覚めればお月さまは消えて、沈んだお日さまがまた迎えてくれるわ。2022/10/09
KAZOO
113
本棚から取り出して再度読んでみました。私はあんまりカラフルでない絵本も素朴な感じがして好きです。鉛筆での細密画のような感じもしますが柔らかい感じがよく出ていると思います。この絵本は何度でも読みたくなります。2016/02/19
ちゃちゃ
111
冷たい北風が吹く季節になった。「風はどこへ行くの?」素朴な問いかけに心を揺さぶられる。子どもの問いは、留まることを知らず多様な広がりをみせる。「お日さまは、どこへいくの?」陽が沈み夜が訪れると、太陽は別の場所に光を注ぐ。「ほんとに、ぐるぐるぐるぐる、つづいていくんだね」終わりは新たな始まりへと繋がり、私たちは大いなる循環の中で生かされている。目に見えるものがすべてではなく、想像力が私たちを新たな世界へと導いていくのだ。母親の優しい語り口が、子どもの不安を鎮めやわらかく包み込む。なんて素敵な絵本だろう。2022/12/14
ふう
97
『おしまいに なってしまうものは、なんにもないの。べつのばしょで べつのかたちで はじまるだけのことなの。どんなものでも。』 おしまいにならないのは、お母さんの愛情。世界がこどもたちに贈るやさしい想い。2019/08/31
KAZOO
82
装幀と表紙はカラフルなのですが、中身は単色の鉛筆画のような感じの絵で、じっくりと落ち着いた感じで読めました。素朴な感じの絵で、自分でも書けそうな感じの絵です。親密感を与えてくれます。子供と母親の対話で連鎖していく様子が絵と共に語られていい感じです。2015/06/27