出版社内容情報
子どもの目で見た木への讃歌が、さわやかな水彩画でおおらかに描かれています。作者の保育体験から生まれた絵本です。 4才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
303
ジャニス・メイ・ユードリイ 作、マーク・シーモント 絵。二人はともにアメリカの人。本書で1957年度のコルデット賞を受賞している。文、絵のコンビネーションがいい。両方で木の讃歌を歌い上げる。しかも、それは人間との共生においてである。それは実に様々なシーンで。木登りもできるし、ブランコ遊びだって。木陰も作ってくれる。絵はカラーのページとモノクロームのページが交代で。基本的にはリアリズムだが、実に暖かいタッチである。お話がなくても成立している絵本。2024/11/06
やすらぎ
194
木っていいなあ。幹に触れるだけでやさしくなれる。広い草原の中にぽつんと一本の木があるだけで幸せになれる。あの木陰まで歩いてみようかな、そんな気持ちにさせてくれる。そよ風に揺れているだけで涼しげにみえる。どこまでも艷やかな葉を広げて、たくさん集まれば林になって森になってくれる。大きな花を咲かせたり、真っ赤な果実をたわわに実らせたり、小鳥と月夜を迎えたり、葉を落として佇んだり、やっぱり木っていいなあ。白雪が舞う頃はじっと待っているけど、また会えるかな。朝日が昇る頃、温かな日差しの中で大切に育ててくれたきみに。2024/07/12
モリー
83
都市化が進み、木と交流できない環境で育った子供たちに、そして、木の良さを忘れた、あるいは知らずに育った大人たちに、この本はストレートに木の良さを伝えてくれます。私の身の回りでは木は切り倒される一方です。木が身近にあり木と交流しながら暮らすことがどれほど豊かな暮らしか、私たちはこの本を通して思い出すしかないのでしょうか。この絵本が読み継がれていることがせめてもの救いだと感じました。2021/11/16
mocha
80
とてもとてもまっすぐな絵本。木の素晴らしさだけが綴られている。「人」は「木」のそばで「休む」という漢字の成り立ちを思い出した。細長い版型も、すっくと立った木のようだ。2020/10/31
chiaki
53
風に舞う桜の花びらを浴びながら、満開の桜を見上げるのが好きだ。緑が目に飛び込んで来るような新緑の季節が好きだ。雨をいっぱいに吸い込んだ瑞々しい木々も魅力的。もみじやいちょうなどは空の青さとのコントラストがまた美しい。やがて来る春を待ちわびて、エネルギーをいっぱい溜め込んで冬の寒さを耐え忍ぶその姿もまた凛々しい。あぁ、木はいいなぁ…♡2021/02/06