内容説明
あなたのお家の台所に、しまいっぱなしでわすれてしまったおなべはありませんか?もしあなたが、風がふいてさむい冬の日に、ひとりぼっちでお家にいたら…ちょっとだけ耳をすませてみてください。コトコト、コトコト。ほら。なにかきこえてくるかもしれません。小学校低学年から。
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
1943年東京に生まれる。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっこ』第三回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第十九回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第二十二回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第二十回野間児童文芸賞、『山の童話風のローラースケート』第三回新美南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠
田中清代[タナカキヨ]
1972年神奈川県に生まれる。多摩美術大学絵画科卒業。1995年ボローニャ国際絵本原画展ユニセフ展受賞。翌年同展入選。以来絵本を主に、独特な手触りの美しい本を作りつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫綺
98
ゆきひらなべの優しく温かいお話。風邪をひき、人恋しくなったおばあさんにりんごの甘煮を作ってあげるゆきひらくん。食べ物の想い出と共に優しかった母の想い出も・・・。2014/07/12
yomineko@ヴィタリにゃん
67
昔はどこの家庭にもあったという雪平鍋。小さくて煮物するのにとても便利😊高熱が下がらないおばあさんは台所の物音を聞く。それは何年も前に戸棚にしまって忘れていた雪平鍋。おばあさんは冷たいりんごの甘煮を作ってほしいと頼むと、雪平鍋は願いを叶えるべく奔走する。優しいね😊雪平鍋はミルクパンみたいなお鍋ですね😊2023/11/28
ちえ
44
風邪をひいて一人で寝ているおばあさんに、戸棚のなかから呼び掛けてきたのはゆきひらなべ。一人暮らしの学生時代、熱で寝込んでいた時の心細さを思い出した。金属のゆきひらなべしか知らなかったけれど、土鍋もあるんだなぁ。これは絶対にリンゴの甘煮食べたくなる🍎田中さんの描くコロンとしたゆきひらなべの表情も可愛い。安房さんのおはなしはどれも温かくて優しい、ほっこりとした気持ちになります(⌒‐⌒)2020/04/11
kiisuke
43
とても素敵な絵本でした。子どもに読み聞かせたのですが不思議なくらい心地よく読めたのは文章が言葉の響きがすごく美しかったからだと思います。現実と幻想を行き来するおばあさんの少しきゅんとする不思議な体験。そこにぱあっと明るい空気を運んでくれるゆきひらくんが可愛らしくて和みます。ゆきひらくんが張りきって作ってくれるつめたいりんごの甘煮の美味しさですっかり元気になるおばあさん。小さな存在だってこんなに誰かを幸せにしてあげられる。ゆきひらくんにたくさん勇気をもらえます。りんごの甘煮の小さなレシピも載ってます♪2016/05/06
浅葱@
29
戸棚にしまわれっぱなしのゆきひらくんは、熱のあるおばあさんに出してもらいます。お粥もスープもいらないと言われたところから話が動き出します。林檎の甘煮を食べたおばあさんの見た夢。満開の林檎の花吹雪の中、小さい頃の自分とお母さんの光景。ゆきひらだからすーっとつながったと思います。懐かしくて柔かなお話し。ゆきひらくん。これから、また出番が増えそうだね。2014/03/17
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