出版社内容情報
19世紀アメリカ東部を舞台に、ひとりの少女の自立と家族への愛を描いた小説。新しい時代の到来を素朴な少女の目で語る。 小学校高学年から
内容説明
1840年代、産業革命の波がおしよせるアメリカ東部。家族の暮らしを支えるために、紡績工場で働きはじめたリディは、仲間の娘たちを通して、いやおうなく時代の洗礼を受れることになる。素朴な青年の愛も斥け、次の人生へのステップをふみだそうとする少女の目覚めを物語りながら、アメリカ現代史の一端を鮮かに描いた長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
約150年前のニューイングランドを舞台に、少女リディの自立の物語。父は家を出ていき、それが原因で少し頭のおかしくなった母は、小さい妹たちだけを連れ伯父さんの所へ行ってしまった。残された13歳のリディと弟チャールズは二人で暮らしていくが、どうにもならず借金のかたに家を取られた時に居場所さえなくなってしまった。チャールズは粉屋に、リディは宿屋の下働きになるが、もっとお金を稼ぎたいと、リディは紡績工場の女工になる。過酷な労働と重すぎる試練…。アメリカ版『女工哀し』です。2020/01/23
ぱせり
8
産業革命の波が押し寄せるアメリカ東部。家族を助けるために紡績工場で働き始めた13歳の少女の自立の物語を軸にして、時代が描かれる。クマの話が印象的。若干13歳で「ただのクマ」を「ただのクマ」と見ることのできるリディに感嘆せずにいられません。「ただのクマ」と認めることで、すでにクマを越えているのですね。2009/06/13
温
3
奴隷にはなるまい、自立して自由になるのだと強く願い、前に進んでゆくリディが壮快だった。彼女の生き方をとても好きだと思った。2005/01/04