内容説明
農村から街へお嫁にいった少女、ゴマ。謎のお茶屋さん、プラム売りのおばさんたち、料理屋のなかよし兄妹、鳩を追う少年、見張りの人…ネパール・バネパ。ゴマの洋品店にあつまる人びとの物語。中学生から。
目次
ゴマの結婚式
アヌスカ
話題のお茶屋さん
野菜売りのおばあさん
街の少年たち
色黒の男、シュリクリシュナ
デーブの七か月祝い
ゴマのアパートで
プラム売りの屋台
料理屋の家族〔ほか〕
著者等紹介
公文健太郎[クモンケンタロウ]
1981年生まれ。自由学園卒業。1999年に植林活動でネパールを訪れて以来、ネパール・カブレ地区の農村の撮影をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seacalf
49
とても素敵な読書体験。昔ながらの風習や差別が根強く残り、日本とは生活レベルも比べ物にならないはずなのに、過不足のない作者の誠実な眼差しと文章が優しく心に沁み入り、貧しいのに豊かなネパールの人々の姿が爽やかに流れ込んでくる。少女時代から見つめてきたゴマを中心に、長期滞在ならではの深い信頼感が感じられる。街の人達も皆一様に良い表情の写真が多くて素敵。ネパールのコミュニティがある大久保に一時期通っていたので親近感があり、モモやチャウメンも友人とよく食べた。額の真っ赤な印はティカというのもやっと知れてスッキリ。2021/02/07
ほちょこ
29
カメラマン公文さんのネパール取材日記。日記というよりおネパールを旅してる気分になった。傲慢な目で見れば、可哀そうだの貧困さが惨めだの、いろいろ言えるのだろうけど、この本にはまったくそんな気持ちにさせられない、むしろ清々しいくらい気持ち良いネパール人の暮らしが見てとれる。行ってみたいなと思う。2020/06/19
timeturner
7
農村と町の暮らし、カーストのある国での女性の生き方、教育と未来。単に知らない国の珍しい風俗を写真で見せるというだけではない、著者の思いが伝わってくるネパール滞在記。2015/08/09
ジュースの素
7
シンプルな文で淡々と語っている。ネパールに長く滞在して、出会う人々と友達になり、その暮らしを観察して写真と共に紹介。普通の人々の普段の暮らしが生き生きと語られている。まだ貧しく、女性の地位も低い。その中で懸命に日々を過ごす人々の明るい笑顔がいい。2014/12/14
ゆうこ
5
苦も楽もすべてあるがままに受け入れて淡々と日常が進む。賢い少女だったというゴマ。しっかりとした教育を受けて目指す職業に付けていたならどんな女性になっていただろうなと想像する。2016/09/30