アフリカ出身サコ学長、日本を語る

電子版価格
¥1,600
  • 電子版あり
  • ポイントキャンペーン

アフリカ出身サコ学長、日本を語る

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 224p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784023318809
  • NDC分類 304
  • Cコード C0095

出版社内容情報

マリ共和国出身の京都精華大学長、ウスビ・サコ氏の自伝。幼少期、中国留学、日本人との結婚、子育て、学長就任。波乱に満ち「なんでやねん」の連続だった日々をコミカルに回顧しつつ、日本社会や教育の問題点を独自の視点で鋭く批判する。

内容説明

マリ共和国から中国を経て日本へ。波瀾万丈な人生をコミカルにふり返る。新型コロナウイルス問題の提言で話題沸騰、日本のあり方、日本人の生き方を鋭く問う。

目次

第1章 赤の他人に教育されるマリ―サコ、すくすく育つ
第2章 ヨーロッパだけが世界じゃない―サコ、異文化に出会う
第3章 マリアンジャパニーズとして生きる―サコ、家庭を持つ
第4章 十人十色の学生たち―サコ、教鞭をとる
第5章 一緒に、大学をつくりたい―サコ、学長になる
第6章 ここがヘンだよ、日本の学び―サコ、教育を斬る
第7章 大学よ、意志を持て―サコ、大学を叱る
第8章 コロナの時代をどう生きるか―サコ、日本に提言する

著者等紹介

サコ,ウスビ[サコ,ウスビ] [Sacko,Oussouby]
1966年5月26日マリ共和国・首都バマコ生まれ。81年、マリ高等技術学校(リセ・テクニック)入学。85年、中国に留学し北京語言大学、東南大学で学ぶ。91年4月、大阪の日本語学校に入学。同年9月京都大学研究室に所属。92年、京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程入学。99年、同博士課程修了。2000年、京都大学より博士号(工学)取得。01年、京都精華大学人文学部専任講師に就任。02年、日本国籍取得。13年、人文学部教授、学部長に就任。18年4月、学長に就任。研究テーマは「居住空間」「京都の町家再生」「コミュニティ再生」「西アフリカの世界文化遺産(都市と建築)の保存・改修」など。社会と建築空間の関係性をさまざまな角度から調査研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

96
京都精華大学のサコ学長はマリ共和国の出身。前半は、マリで育ち、中国への留学を経て日本にやってきた半生が語られる。日本国籍を取った今も、マリ人としてのアイデンティティを失わない国際人としての信念を知る。後半は教育論。特に日本の教育に対する指摘は厳しい。学校に期待しすぎ、自由と平等を履き違え、能力を生かさず、すぐ諦める日本に対し、何度も何度も「なんでやねん!」という問いかけが繰り返される。でも、「学生は、お客さんでも商品でもない。私にとって学生たちは、家族なんだ。」と語るサコ学長の眼差しは、とても温かい。2020/10/07

きみたけ

88
日本の教育について改めて考えさせてくれるとても良い本でした。著者はマリ共和国出身で京都精華大学学長のウスビ・サコ先生。先生の生い立ちや家族構成、紆余曲折を経て大学で教鞭をとる日々、一緒に大学を作りたいとの思いで学長になったこと、「ここがヘンだよ、日本の学び」、コロナ時代を生きるための提言など。特に外国人の視点から感じる「日本の教育の違和感」については異論の余地もなく、大学が「生産できる人間とその予備軍を作るための機関」となり、「社会で使えるかどうか」という基準が親にも浸透している状況に警鐘をならします。2022/12/12

pohcho

59
アフリカのマリ出身でフランス語圏の教育を受け、中国留学後に日本にやってきて現在は京都精華大学の学長。そんな著者の半生と日本の社会や教育に対する思いを綴った本。「日本の教育は今の社会システムや社会構造を維持したいという中高年の思いに若者が巻き込まれている状態」などの言葉に幾度もハッとした。「教育は個人を幸せにするためにある」なんて考えたこともなかったかも。本質的なことをわかりやすい言葉で表現されていて、非常に興味深く読んだ。内田樹先生の解説も素晴らしい。教育関係のお仕事の方、若い方に是非読んでいただきたい。2020/12/30

おさむ

45
アフリカ・マリ出身の京都精華大学長、サコさんの自叙伝&日本論。日本社会のおかしさ(学校への過度な期待、普遍的な人間でないとダメと考える欺瞞、すぐに諦める国民性、物事を深く掘り下げないメディア‥‥)に「何でやねん!」と異議申し立てする。その主張と理屈は真っ当で、私たちが自分の頭で考えられなくなっている事に気付きます。とりわけ教育論が秀逸。マリでは「学校教育を受けて成長することが、必ずしも人間の最適な人生ではない」という価値観があるそうです。日本も昔はそうだったのに、どこかで失われてしまったのですね。2020/08/04

kawa

35
京都精華大学長に選ばれたアフリカ・マリ出身のサコ氏の生い立ちから現在までを振り返りながらの教育論が刺激的。曰く、「(学生が)今の大人と同じような道を歩めば、・・・今より悪くなっていくことは明らかだ」「フレーム化された教育を受けさせ、大学に入れてそのまま社会に出す日本のやり方は、実は国際社会の視点で比較するとそれほど大したことではない」「弱い人間というのは、・・・人間対人間の関係性を作れない人」等々。キー・ポイントとなる位置にグローバルな人材を積極登用していく重要性の証明が本書にあるように思う。(コメへ)2021/09/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16093606
  • ご注意事項

最近チェックした商品