出版社内容情報
小黒一正[オグロカズマサ]
内容説明
あなたの預金が下ろせなくなる!ヘリマネ、財政ファイナンス、資産課税…元財務官僚が、最悪のシナリオを予測!「国家の収奪」に備える資産防衛法も解説。
目次
序章 預金封鎖への道
第1章 消費税増税なくして財政再建なし
第2章 失敗だらけの金融政策
第3章 財政再建、待ったなし
第4章 終戦直後の教訓
第5章 財政危機に「出口」はあるか―国と個人の“処方箋”を考える
著者等紹介
小黒一正[オグロカズマサ]
法政大学経済学部教授。1974年生まれ。専門は公共経済学。京都大学理学部卒業後、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。大蔵省(現財務省)入省後、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。経済産業研究所コンサルティングフェロー。世代間衡平や財政・社会保障を中心に研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
101
終戦直後の日本では、政府の債務を減らすために半強制的に国民の資産を奪う政策がとられたらしい。悪化する一方の日本の財政について、最悪のシナリオを予測する。◆あくまでも最悪のシナリオの場合という断りであるが、ここまでは持ち堪えてきているよう。しかし、新型コロナである。このままでは、もう一度最悪シナリオに向かう可能性が出てきた。歴史は繰り返すという。そら恐ろしいことである。◆預金封鎖がなされると、自分の預貯金を引き下ろすことができなくなる。/終戦直後の教訓/財産税の最高税率90%/政府の借金は国民が負担2020/06/14
おさむ
15
すごく真面目な経済本です。戦後、日本政府は膨大な借金を預金封鎖と通貨切り替え、ハイパーインフレで帳消しにした黒歴史を詳らかにした上で、これからの日本も同じシナリオが十分ありうることを警告します。戦前から政府は嘘をついて国民に国債の購入を奨励していました。もっと歴史から学ぶことが私たちには必要なようです。著者は財務省OBの大教授だけに説得力があります。2017/10/20
patosan
6
量的質的緩和を行って円安・株高になったけど、楽観視できない。 終戦直後にハイパーインフレ起こってるんですね。政府のインフレ対策が強行すぎて驚いた。財産税90%、預金封鎖・・・。もっと歴史を勉強しないといけないな。2017/01/04
Humbaba
3
未来に影響を与える要素はたくさんあるため、それを完全に見通すことなど誰にもできない。そのため、いくら備えていても実際には問題など発生しないということもあるかもしれない。しかし、ある程度の確率で何が起きるかを予測することはできる。無駄になるかもしれないが、備えていないで対応できなくなることと比べれば備えることはよほど安全な道と言える。2017/04/09
yuno
2
前書きにもあるように、「ノーフリーランチ」を丁寧に説明し、いかにまずい状況になりつつあるかを主張。誰にも損がないように見える金融政策も、政府(将来世代を含む納税者)、民間金融機関、民間企業、家計等のどこかにしわ寄せが行っている、ということが分かる。ただし、タイトルのような、財政破綻に備えるための助言にはわずかなページしか割かれていない。個人的には来年から販売単位が小さくなって買いやすくなる物価連動債は、どれくらいリスク回避の手段として有効かが気になるところ…。2016/12/12