内容説明
主要通貨が変動相場制に移行して以来、日本はバブルやデフレを経験しながら円高の恐怖におびえ続けてきた。これからの通貨動乱の時代に、日本はどう対処するべきなのか。「通貨マフィア(通貨交渉の責任者)」として財務官を務めた後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)会長、内閣特別顧問などを歴任した経験から、円がたどってきた歴史を分析し、円・ドル・ユーロ・人民元の行方を探る。
目次
第1章 ドルの翳り―海図なき航海
第2章 プラザ合意―マフィアの舞台
第3章 ルーブル合意―市場管理の敗北
第4章 円高、バブル、そしてデフレ
第5章 世界経済危機の時代
第6章 中国の台頭―カオスの扉
第7章 日本経済再生への提言
著者等紹介
行天豊雄[ギョウテントヨオ]
公益財団法人国際通貨研究所理事長。1931年横浜生まれ。1955年東京大学経済学部卒業、同年大蔵省(現財務省)に入省。プリンストン大学留学、国際通貨基金、アジア開発銀行に出向などを経て、国際金融局長、財務官などを歴任。1989年退官後、ハーバード大学、プリンストン大学、サンガレン大学の客員教授を経て、1992年より1996年まで東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)会長。1995年12月、国際通貨研究所設立時に初代理事長となり、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うらじ
2
財務官の回顧録。政策の失敗に対する反省の色がほとんどなく通貨マフィアらしいと思ってしまった。2016/05/30
Kenji Ogawa
1
円の興亡というより米ドルのそれだ。通貨マフィアとして感じていたこと。東銀時代の回顧がないのはどうしてか?日本の再生は産業構造転換。必ずしもアベノミクスよりではない。2014/01/29
G-man
1
変動相場制移行以後の為替相場とその背景・影響を概観するには最適の本だと思う。今後の日本のあり方についての提言も極めて示唆に富む。2013/12/18
Toshiaki
0
著者は財務官を務め、世界的に知られる生粋の「通貨マフィア」である。プラザ合意等の歴史的局面についての証言がやや物足りなく思うが、理論と経験に裏打ちされた国際金融の見方は説得的である。目先の相場や経済情勢に一喜一憂せず、中長期的な趨勢を確実に分析し、それに対応することの重要性を教えてくれる。2015/08/24
Miyuki Yokoshima
0
評価:★★★2013/12/14
-
- 和書
- 会社員でぶどり 〈5〉