ウルトラマンと「正義」の話をしよう

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784023309586
  • NDC分類 778.8
  • Cコード C0036

内容説明

『ウルトラマン』シリーズに目を向けた時、そこにはウルトラマンと地球平和という“善”があり、侵略者(=怪獣、異星人)という“悪”がある。しかし、その“善”は絶対的に「正義」なのだろうか?その“悪”は必ず倒されるべきものなのだろうか?シリーズ生誕から45年を経て今、『ウルトラマン』が伝えたかった「真実の正義」を説く。

目次

第1章 「正義」と『ウルトラマン』
第2章 ウルトラマンの「科学」と「自然」
第3章 近代化する日本と『ウルトラマン』
第4章 『ウルトラマン』に描かれた心の闇
第5章 反逆する大衆とウルトラマン
第6章 ウルトラマンとナショナリズム
第7章 ウルトラマンの正義

著者等紹介

神谷和宏[カミヤカズヒロ]
1973年北海道生まれ。駒澤大学文学部国文学科卒。公立、私立の高校教師を経て現在、公立中学校教師。文学講読、現代思想による方法論などを用いた『ウルトラマン』の研究を行っている。『ウルトラマン』の学術的研究誌『紀要ウルトラマン批評』代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばりぼー

42
『ウルトラマン(シリーズ)』は、凶悪な怪獣や宇宙人をウルトラマンが倒し、地球の平和を守るという「勧善懲悪」スタイルをとりつつも、では怪獣や宇宙人が「悪」と捉えられた理由は何だったのか、人間を襲う脈絡や背景を考えさせ、正義の意味を問う物語である。「文明化に伴う行きすぎた合理主義が過度な管理社会と画一化を進め、犠牲者を生む」「加害者もまた被害者であり、責任の所在を追求していくと堂々巡りに陥る」「共通の敵を見出し、集団が結束して正義の仮面を被るナショナリズムは危険」など、作品に込められたメッセージは強烈である。2017/09/25

なるみ(旧Narumi)

27
ウルトラマンが昔から好きなので読んでみましたが、ちょっとしっくりこない読後感でした。流し読みとなってしまい、残念でした(*´^`)。2017/10/28

おーしつ

16
ウルトラマンを教材にした授業(メディアでも取り上げられたことがあるらしい)をされている先生の書いた本。 正義と悪、科学・文明、差別、ポピュリズム、ナショナリズム、非戦主義、二項対立…等をウルトラマンの具体的なエピソードと思想・哲学などを交え、語っている。 昭和ウルトラどっぷりで育ったオッサンと今の子供達では捉え方も違うのだろうなあ。 それにしてもメトロン星人が『ウルトラマンマックス』に登場した回の題名が「狙われない街」だったのは知らなかった。深い。 2011/11/09

mono-less

9
道内の中学教師が著したウルトラマン論&正義論。一般的には、ウルトラマンは勧善懲悪モノと勘違いしている人が多いようだが、こうしてこの作品の本質をわかりやすくまとめてくれる人がいるのは、一ファンとして嬉しい。善と悪、ナショナリズム、被害者と加害者の間で、いつもヒーローは悩んでいた。主張が「良い子」すぎる所はあるが、自分も中学の時にこんな多次元的なものの見方を教わりたかった。怪獣映画はいつだって世間を映す鏡だ。SFはリアリティが無いと嗤う人は、例え純文学を読んでも身にならない。作品の本質を見抜く力が無いのだ。2014/08/25

よねはら

9
ウルトラマンシリーズの根底にあるメッセージ、二元論では語れない正義についての問いかけが紹介されています。ウルトラマンにこうも深いものが秘められていたのかと驚きました。紹介されていたエピソードを実際に見てみたいです。戦わずして平和を守ることを最も望んでいたのは、他ならぬウルトラマンだったのですね。2013/06/20

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