内容説明
2009年6月14日、“厚生労働省の星”との呼び声も高かった女性局長が大阪地検特捜部に逮捕された。逮捕容疑は、虚偽有印公文書作成・同行使。実態のない障害者団体に偽の証明書を発行するように部下に指示した、というものだった。しかし、逮捕直後から一貫して、「私はこの事件に関与していない」と容疑を否認していた。
目次
堕ちた厚労省の星
1通8円の誘惑
甘い罠
議員案件
揺らぐ検察側の証人たち
壮大な虚構
こうして冤罪はつくられる
黙殺された手帳
大阪地検特捜部の罪と罰
崩されたシナリオ
そして無罪が言い渡される
村木さんの無罪はまちがいない―弘中惇一郎弁護士インタビュー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうゆう
13
あぁ、もう、何なのこの検察って。ひどくて恐ろしい!が、全ての感想。結論ありきで、真っ白なものも真っ黒くできるなんて。ひどすぎる。一般市民がこんな目にあわされたら、冷静に対象できるかどうか。どうにかするには、まず弁護士を希望する。納得できない調書にはサインしない。調書の記録、ノートをつける。事実を曲げない。くらいなのかしら。2019/04/12
てくてく
8
村木氏の事件については報道などで既にかなりの情報を知っているが、事件関係者が検事の作文を認めてでも早く外に出ようとしたことと、事件とは無関係であり無実であることを主張して5か月も拘置所にいた村木氏の態度の違いが印象的だった。 何が彼女にそこまでの強さを与えたかというと、仕事へのプライドで、それは検察官側にもないはずはないのに、どこでどう違ってしまうのかということがとても気になった。2017/08/23
chuji
2
久喜市立中央図書館の本。2010年9月初版。書き下ろし。一昔前の出版物が何故か新刊コーナーにあり借りてしまった。判決前に敢えて出版した本でした。村木さんは勿論アッパレですが、三人の検察官が検察官に逮捕された譚。十年以上前のことで、当時はとんでもない出来事と思いましたが、現在はありそうな事象となってしまったカンがある。日本はドンドン悪化している?2022/10/21
航輝
2
図書館本 衝撃の連続だけど村木さんの信念に心打たれる この状況の中でも自分だけじゃなく周りの人のことを心配出来る村木さん凄い 人間の心の弱さとズルさを痛感させられる2019/11/18
河童
2
取り調べの可視化という言葉が一回だけ出てくる。ここでは民主党の石井一さんの言葉として語られている。鈴木宗男さんの事件の時も可視化の必要性を感じた。 取り調べ室という密室で、逮捕されるかもしれないという恐怖や検察官の恫喝に、いったどれだけの人が耐えられるのだろう。検察の巧みな誘導や取引にかかり、ありもしない事を書いた供述調書に同意してしまう被疑者は多いのではないだろうか。 検察の実態というものを垣間見せてくれるこの本は、一市民として権力の恐ろしさを感じさせる。2012/06/26