- ホーム
- > 和書
- > 教養
- > ノンフィクション
- > ノンフィクションその他
内容説明
「食料自給率40%」におびえる日本の食卓の未来を予測する―。食料自給率が低くても、農家の後継者が少なくても、日本が食料の危機にさらされることはない!自給率にこだわらない“オランダ型”をめざせば、世界で勝てる日本農業を実現できる!食料自給率をめぐる不毛な議論に、終止符を打つ。
目次
第1章 人口が増えれば「食料自給率」は下がる
第2章 食料自給率が下がると、「日本」は飢えるか
第3章 穀物は安く、利益を出すには「規模拡大」しかない
第4章 「地方の人口」が多い日本では、規模拡大ができない
第5章 「広い土地」を必要としない農業は有望
第6章 農業における「選択と集中」を考える
著者等紹介
川島博之[カワシマヒロユキ]
東京大学大学院農学生命科学研究科准教授。1953年東京都生まれ。1977年東京水産大学卒業、1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学(工学博士)。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐治駿河
44
著者とは別の視点となりますが、私も以前から食料自給率を気にする必要は無いと常々考えていました。実を言えば食料自給率って原油の輸入量に依存していますよね。例えば農業機材を動かすことも、化成肥料を製造することも全て原油に依存しています。著者の言うように他国の政治経済の思惑を考えるとなおさら心配はなさそうです。ただし昨今では複数の要因はありますが円安によって相対的に貧しくなりつつあり、その面では一抹の不安はあります。本書の後半は政治と農業に関することが中心で食料自給率の前半とは少し乖離しているように思われます。2024/06/18
mazda
33
読んでいて驚いたのは、穀物自給率が14%しかないオランダ(日本は32%)が、貧しいどころか、純輸出額が他国に比べて圧倒的に高い農業国である、ということである。なぜなら、小麦やトウモロコシなどの安い穀物を大量に輸入し、チーズ、肉、トマト等、値のはる作物を輸出しているからである。これは、工業における日本のそれと同じ「加工貿易」である。この事実を見て、自給率が高くないといけない理由って、一体何だろう…?ちょっと考えると、食料自給率を上げることが必ずしも国益にならないことはわかるのにな…。2014/03/17
Miyoshi Hirotaka
19
明治以降の150年でわが国の人口は4倍に。昭和には既に開墾できる土地はなく、食料自給はこの時点で画餅になった。にもかかわらず、自給率が脚光を浴びるのは、農村型選挙区は得票が安定するという政治的事情によるものだ。このため農家に対するバラマキ政策が横行し、結果的にわが国の農業競争力は著しく毀損した。世界最強の農業国は面積が北海道の約1/2しかないオランダ。わが国の農業が生き残るためには大規模化しか道がない。しかし、これには、江戸時代から続く土地所有システムとGHQが行った農地解放の枠組みの変更が必要である。2014/03/03
たろーたん
3
日本の食料自給率は2005年(40%)と1961年(78%)であった。この二つを比べると、米の割合が46.6%→22.1%になり、代わりに植物油3.2%→12.2%、小麦9.7%→13.3%となったからである。つまり、これらを戻せば、8割程度までは戻るということだ。戻らせたいか否かはともかく。また、そもそも、日本は人口の割に人が多く、FAOによると、1ha当たりの扶養人口は27.4人で、農業大国オランダ15.1人、イギリス10人、フランス3.2人、アメリカ1.8人を比べても明らかに多い。(続)2023/10/12
yusaku hanada
3
結局何が結論なのかわかりづらい章が何箇所もあったが、テーマとして興味深い。2014/01/16
-
- 和書
- 失敗しない果樹の育て方