内容説明
巨大宗教団体に発展した創価学会は支持政党である公明党を政権に送り込み、いまや日本の将来を左右する力を持つにいたった。会員数は公称で827万世帯。ざっと計算すると日本人の16%以上が創価学会員だということになる。しかし、これだけ世の中に浸透し影響力を持ちながら、この巨大宗教団体のパワーの内実については、外から伺い知れないものがある。創価学会の本当の力とは、いかなるものなのか。そして、どこに問題があるのか。筆者は宗教学者の立場から、あくまで客観性を重んじて、この創価学会の本質に関わる問いに迫っている。
目次
第1章 圧倒的な力をもつ巨大教団
第2章 創価学会の本当の実力
第3章 信仰の形骸化という危機
第4章 巨大教団の内憂外患
第5章 選挙頼みの実態とその限界
第6章 平和主義の危うさと排他性
第7章 カリスマの実像とその位置
第8章 創価学会はどこへ行くのか
著者等紹介
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年、東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。日本女子大学教授を経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター特任研究員。宗教学者として幅広い視点から評論活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キク
49
島田がオウムとの関わりでバッシングされた後に書かれてるので、創価学会を距離を保って第三者的に記述してはいる。創価学会のカリスマの「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆のなかに死んでいく」という言葉は、共産党の党是だとしてもおかしくはないと思う。でも、創価学会と共産党は壮絶な争いを繰り広げてきた。「戦う」ということの未来を信じた組織同士だから。極真空手大山倍達の「俺が死んだら極真は割れるよ」という言葉をなぜか思い出した。「人を救う」ということと「個人のカリスマ」「組織の巨大さ」はどう結びつくんだろう。2023/12/05
toshiyuki83
2
創価学会の本当のところの実力、規模というものがわかる良い本だった2016/06/20
ミスタ!
0
正直あまり面白い本ではないが、創価学会の現状について冷静に分析しているところは評価できる。創価学会に関しては、ほめる過ぎるか、けなしすぎるかのどちらかの立場を選択することが読書に受けるための要素でありそうな気がするが、そこは避けているところがいい。ただし、資料などを見ていると、まったく取材なしに行われているためもっと、学者ならフィールドワークしてもいいんじゃないかと思う。さらに、宗教学者としての見解があまりに少なすぎると思う。こなれたジャーナリストならおんなじようなことが、半分のページ数でまとめられる。2011/01/29
kwy8791
0
新宗教にたいする第三者からの著作はあまりでないので貴重。「?」と思う部分もいくつかあるが、著者の他作と併せて読むと膝を打つ箇所の多い一冊。別段オススメはしませんが、私は興味深く読みました2010/12/05
伊達酔狂
0
☆☆☆☆2006/12/11