出版社内容情報
【目次】
内容説明
読書をきちんと経験した人、読書の楽しさを知っている人たちにとっては、電子本は、しばしばフラストレーションのもとになります。もし電子本を読むとしても、スマホではだいいち小さくて目が疲れるし、タブレットでは重くて手が疲れる。とても文庫本を寝ころんで読む快楽と同じにはなりません。つまり、本というものは、その形、存在のすがたが千年を超える長い長い歴史のなかで完成されてきた世界なので、それをたかだか数十年の電子ものがとって代わることは想像すらできません。
目次
書物を手に―序に代えて―
1章 活字は紙に限る
2章 電子書籍の7つの大罪
3章 本は捨てないほうがよい
4章 古書の味わい、書店の思い出
5章 図書館との付き合い方
6章 書評との付き合い方
7章 読書の楽しみを見出すまで
8章 私の愛読書
書後に
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
1949年、東京生まれ。作家・書誌学者。慶應義塾大学大学院博士課程満期退学。ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。専門は書誌学、国文学。『イギリスはおいしい』(平凡社/文春文庫)で日本エッセイスト・クラブ賞、『謹訳 源氏物語』(全十巻、祥伝社)で毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
59
リンボウ先生のイギリス物などを読んだのは何年くらい前のことだろう。異国の日常を先生の独特な?視点で記した文章を楽しませてもらった。本書では、副題にある「あえて今、紙の本を読む理由」をテーマに、紙の本を自腹を切って一人居ずまいを正して読むことの正当性が縷々語られる。図書館の利用法についての批判も含めて、お説にはほぼ同意するものであるが、紹介されている古典の多くがやや高踏にすぎる印象を受ける。万葉歌人の大伴旅人の旅先で亡くなった妻を巡る挽歌に触れられた部分が刺さり、集中の該当箇所を探して読み、感銘を深くする。2026/05/01
よっち
24
「電子書籍は一切見ません」「電子は読んだ気がしない」「本は借りずに買って読みます」と公言する著者が、70年にわたる読書人生を振り返りながら紙の本こそ本物と熱く語る1冊。紙の本の手触り、安定感、重み、ページをめくる喜びを丁寧に描写し、スマホやタブレットでは目が疲れ、スワイプで今どこを読んでいるかわからなくなる問題を指摘して、紙の本は壊れにくく電源不要でいつでも読め、手垢や書き込みが「自分のものにした証」になる、自分の本を買って読む大切さ、幅広い読書遍歴が語る姿に本当に本が好きなんだな…としみじみ思いました。2026/05/07
niisun
19
朝日新書の連投。この本で林望さんが指摘している、「本は買って読むべし」「紙の本で読むべし」「読書量と人格に関係なし」「万人に薦める本はなし」「読書に貴賤なし」など、ほぼ同意見です。読書はあくまで、一人ひとりのもので、面白いと思う本もひとそれぞれとおっしゃるとおりなだけに、最終章で『私の愛読書』を読まされるのは、なんだかなぁ⋯という感想です。あと、林さんは、装訂の美しさを味わうことに拘りがお有りのようですが、それも林さんの生きた時代が、それを楽しむことを可能にする環境があったというだけな気がしますね⋯。2026/05/10
ゴーヤーチャンプルー
11
書物を楽しむ。一つのオブジェとしてそれを眺めて惚れ惚れとする美術品的な感覚としても楽しんでいる。図書館ダメ、読書会意味ないなどと痛烈な意見も晒しているが、古典や純文学にこだわる必要もなく、エンタメでも何でも好きな本を読めばよろしいと言っている。新しい知見を授けてくれたなど無くても、愉快痛快なだけの読書、それが苦しみの日々のこよなき心の慰安になるなら、それもまた大切な読書なのだと。読書量と人格は関係ないし、読書そのものに貴賤もないとも断言していて気持ち良かった。2026/05/11
けいこ
7
3章の中にあった言葉が印象に残りました。91頁より引用「何かの思想や宗教に囚われていると、やはり文学のいいところを読み落とすことになる」2026/04/16




