出版社内容情報
「高齢者から選挙権をはく奪すべきだ」─若者からそんな声が出始めている。背景にあるのは高齢者が多数を占めるシルバーデモクラシーだ。若者と高齢者の分断をどう解決すべきか。新進気鋭の政治学者が政治と年齢を巡る政治哲学を展開する。
【目次】
内容説明
「高齢者が優遇され、若者が軽視されている」高齢者の割合がますます高まり、シルバーデモクラシーに対し、多くの若者が不信感を抱いている。この問題の根幹にあるものは何か。民主主義と年齢を巡る知の思索がここから始まる。
目次
序論 年齢と政治思想史(政治問題としての年齢;年齢を巡る感覚と現実 ほか)
第1章 シルバー・デモクラシーの正体(シルバー・デモクラシーの概念史;シルバー・デモクラシーの世界 ほか)
第2章 未成年者不在の政治史(成年者とは誰か;日本近代史のなかの参政権年齢 ほか)
第3章 子どもと尊厳の民主主義(16歳選挙権の現在;年齢引き下げの理想と構想 ほか)
著者等紹介
鵜飼健史[ウカイタケフミ]
西南学院大学法学部教授。1979年愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒業、同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学、ロンドン大学ゴールドスミス校政治学部博士課程満期退学。博士(社会学)。早稲田大学助教などを経て、現職。専攻は政治理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
24
高齢者が多数を占め若者の意見が軽視されがちな現状を「民主主義の死角」と捉え、両者の対立を政治哲学の観点から論じる1冊。数の多い高齢者と少数の若者という状況で、高齢者が民主主義の弊害と言われる理由や何が問題なのかを考察していて、予算配分的には無視できない状況ながら世界的に起きていることでもあり、実態以上に世代間格差と対立が煽られる中、選挙権年齢引き下げで子育て世代の意見を反映する案もありましたが、固定観念が蔓延し民主主義への信頼が損なわれることが危機であり、既存の前提を考え直す必要があるのかもしれませんね。2025/11/05
金吾庄左ェ門
3
そうじゃないだろという本でした。選挙権や被選挙権の年齢を引き下げようが制限を課そうが大して変わりないと言いますが、そうではありません。少なくとも高齢者が異常に優遇されている医療費の問題やコロナ禍における老人優先の政策はなぜ行われ継続するのか?そこに触れていないので全くの駄本だと言えます。2025/10/19




