出版社内容情報
「クールジャパン」「観光立国」を始めとする国家的文化政策を筆頭に、書籍・雑誌・ムックからテレビ・ラジオ番組、人材育成セミナーなど、さまざまな媒体を介して社会的に広がっていった「日本スゴイ」コンテンツは、どんな機能をはたしているのか――具体的なエピソードの中から読み解く。
内容説明
「日本スゴイ」イデオロギーと、「日本人らしさ」物語の謎を読み解く。現代の「日本スゴイ」コンテンツは、どんな機能をはたしているのか。そして、どのあたりが人びとをキモチよくさせるのか。経産省「クールジャパン」、テレビ番組、道徳教科書…様々な媒体を通して、社会的に広がり流布していった「日本スゴイ」コンテンツの仕組みや泣かせどころを、具体的なエピソードの中から考察する。
目次
第一章 しぶとく生き延びる「日本スゴイ」
第二章 「日本スゴイ」テレビ番組のしくみ
第三章 「クールジャパン」で再定義される「日本人」
第四章 道徳教科書に入り込む「日本スゴイ」
第五章 「日本人」のつくりかた
第六章 「日本というお母さん」伝説
第七章 「教育勅語」を愛する人びと
著者等紹介
早川タダノリ[ハヤカワタダノリ]
1974年生まれ。編集業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
rico
62
「日本スゴイ」系のTV番組に「あんたがスゴイわけじゃないし、よその国だってスゴイことあるし・・・」、なんて突っ込んでた頃はまだ牧歌的だったのかも。当時は日本を世界にアピールという側面もあったようだけど、最近は日本スゴイ教の信者以外を排除にかかってる雰囲気もあって、ちょっと怖い。極端に言えば、その先には「スゴイ日本」に全てを捧げることを求められそうで。この国のステキなところ、好きなことはたくさんあるけど、それはまた別の話。個を尊重せず、一つの色に染まった社会は、長期的には衰退に向かうしかないと思うのだけど。2026/01/17
Toska
30
まさにこれ、この「カジュアル化」というやつが曲者で、ちょっとした会話の中でも無自覚な日本賛美を耳にする機会が増えたと感じる(「コロナの蔓延を防止できたのは日本人の民度の高さのおかげ」「日本のコメの美味しさが世界にバレたから米価が上がった」等々)。日本人はいつからこんな自信過剰になったのか?という疑問にある程度まで答えを出してくれる一冊。各種のメディアから教育現場に至るまで、国民的な自尊心を徹底的に甘やかし、肥大化させる数々の仕掛け。これはちょっともう手遅れなのかもしれない。2026/02/25
おかむら
29
まあ確かに「youは何しに…」とかを見てて、自分の住んでる国が褒められたらすると悪い気はしないのですが、「日本スゴイ」コンテンツの流行りや傾向をこうしてまとめて読むと気持ち悪さマシマシ。日本人ファースト気分が醸成される仕組みってこういうところからもか。前半のテレビ番組を「生暖かい目でネッチリネチネチ鑑賞」するパートも楽しいけど、後半の、先の戦争はアジアを解放したからむしろ感謝されてる言説の元となったタイの新聞記事の拡散と出典の謎を追うパートは面白かったー。櫻井よしこにも是非読んでもらいたい。2025/09/08
ヨーイチ
25
ザックリ左系の物書き。ツイッターで見かけて紙本は二冊目。90年代辺りからの「右傾化」の傾向を告発?しているのだろう。知らなかったのが「日本というお母さん」てな物言いで、50年代にタイの首相だった人が現地の新聞に寄稿した「東南アジア諸国の独立に当たって日本(戦前の)は母親の役割を果たした」てな文章に由来するらしい。つまり「戦前の日本も良い事をした」って意見の元ネタの一つらしい。著者の調べでは最初に引用したらしい人物の捏造だったらしい。その後の広まり方を見ると結構適当に引用しているのが分かる。続く2025/08/18
ドラマチックガス
24
数日前に読んだのを登録し忘れていた。「日本スゴイ」系のテレビ番組や雑誌を嗤うところから始まり、メインは国が進める日本スゴイ事業のお粗末さ。正直、揚げ足取りではとかまぁその辺は言いっこなしでしょというところもあったけれど、「国が主導しちゃっているということ」そして「教育に入り込んでいること」そして何より「これらが排外主義や差別につながっている」ことを考えると、このくらいきちんと叩かないとダメなんだろうなと思えてくる。個人的には「自己PR」なるものが面接に入ってきたあたりから少しおかしくなっている気がする。2025/09/27




