出版社内容情報
諦めは最良の人生戦略である。世の中は何事も「諦めるな」という方向へ行きすぎだ。時間は有限であり、誰もがいつかは諦めるときがくる。他者や自分に期待しなければ、不思議と成功に近づく理由とは。頑張れない時代を生きるための画期的思考法。
内容説明
自分にも他者にも期待しない、すると、不思議とうまくいく。なにかを成し遂げた人は、常に多くのことを諦め続けている。あなたにとって、何が有益で、何が無駄か、「正しい諦め」だけが、最大限の成功をもたらすだろう。「自分はこれでいいのか」と思っているすべての人へ。仕事、人間関係、日々の雑事に見切りをつけ、夢をかなえた作家が綴る諦めの極意。
目次
第1章 諦めなければ夢は叶うか?
第2章 諦められないという悩み
第3章 何を諦めるべきか?
第4章 諦めが価値を持つとき
第5章 諦めの作法
第6章 生きるとは諦めること
第7章 変化を選択する道について
第8章 他者に期待しない生き方
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。作家。工学博士。某国立大学工学部助教授として勤務するかたわら、96年に『すべてがFになる』(講談社ノベルス)で第1回メフィスト賞を受賞し、作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
196
何かを達成する人は小さな諦めを繰り返している。人は少しでも可能性があれば諦めたくないと思ってしまうもの。逆にまだ可能性があるのに諦めてしまうもの。何に拘り何を捨てるのか。深く思考し削ぎ落とされた人間は必ず変わり、自身をより深く知る。自らの思考は日々積み重ねてきたものであり、突然の憧れに変わることは難しい。言葉を理解できてもすぐに応用はできないように。自分の目、自分の色、本当にやりたいことを見つめること。自分を一番理解できていないのが自分だと理解する多視点を持つこと。諦める人は拘ること。拘る人は諦めること。2023/03/29
ゼロ
131
「諦める」と多くの人が口にしているのは、「憧れる」ことを諦めたに過ぎないと著者は言ってる。行動した人間は、「諦める」のではなく、「別の道を探す」のである。また仕事では、諦めの連続ではあるが、そこは割り切らなければ、仕事は終わらないと口にしている。完璧主義なのか、芸術肌なのかにより、物事への向き合いが変わってくるのだろう。著者の考え方は極端なので、真似することはできないし、真似する必要性はないだろう。世の中には、変わった考え方もあり、自分の考え方に固執していないか?を問うことができるのが著者の本の魅力である2022/01/30
まちゃ
75
森博嗣氏の著作は初読み。もうそろそろ頑張ることに疲れてきたので手に取りました。具体的な方法というよりは、心構えや考え方を述べたエッセイ。諦めることは、失うことでも、負けることでもなく、「わきまえる」こと、だと。 「諦めの極意」は、悲観的な予測と柔軟な思考。自分の能力や周囲の状況を客観的に見ることで、退くことも大切なのかもしれません。そのときの参考にしたいと思います。2021/10/22
バイクやろうpart2
38
森博嗣さん作品1作目です。駅ナカ書店でタイトルに惹かれ手にしました。『諦める』を著者の視点から明確に示されてます。ここまで『諦める』を掘り下げて語られると納得してしまいます。本当の意味で諦めていないケース、真剣に悩みに悩んだ末に諦めていないことに気付かされます。目から鱗を感じる本でした。他の作品も是非、読みたいと思います。2022/02/18
こまり
33
森博嗣氏の本を初めて読んだ。なかなかに偏屈で面白い。森氏の言う「諦める」とはどういうことか、おぼろげながらわかってきた。◎夢や目標を達成するためにはまず本気で取り組むこと。その結果うまくいかなかったら「諦め」て他の方法を試す。成功は数々の諦めによって築かれている。◎他者への期待が大きいと大きな落胆を味わって諦めることになる。飄々と自分のやりたいことをやって生きている著者ならではの思考が小気味よい。人生相談の回答が身も蓋もなくて笑ってしまった。でも、なるほどなぁと思えて、何だか気持ちが楽になった。2022/09/07