出版社内容情報
幕末・明治維新に活躍した人物の中でも人気ツートップの坂本龍馬と高杉晋作。片や草莽、片や官僚と生い立ちも志向も行動様式も異なる2人のキャラクターを著者が30年にわたり蒐集した史料を基に比較し、彼らを軸に維新の礎を築いた志士群像の正体に迫る。わかりやすい「幕末志士相関図」を付す。目次第1章 黒船第2章 開国第3章 横議横行第4章 尊王攘夷第5章 政変第6章 薩長同盟第7章 戦争第8章 王政復古
内容説明
官僚の志士、高杉晋作。草莽の志士、坂本龍馬。掘り起こし史料で明かす両雄の邂逅、奔走、共闘そして憤死。
目次
第1章 黒船
第2章 開国
第3章 横議横行
第4章 尊王攘夷
第5章 政変
第6章 薩長同盟
第7章 戦争
第8章 王政復古
著者等紹介
一坂太郎[イチサカタロウ]
歴史研究家。昭和41(1966)兵庫県芦屋市生まれ。大正大学文学部史学科卒業。萩博物館特別学芸員、防府天満宮歴史館顧問を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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skunk_c
60
評伝というよりは、この二人を軸とした幕末史。藩の官僚としての高杉という視点は面白かった。一方龍馬の方に関しては、新しい研究の成果を取り入れ、等身大に書こうとしている。特に公議政体論についても彼の提案という説は近年否定されているとか。とにかく幕末史としてはコンパクトで読みやすく、しかも生き生きと書かれているので、特に初学者にはお勧めと思った。昨日伏見を歩き回ったが、龍馬通りなるものもあって、観光資源として重要なんだなと。そういう意味でも正確な歴史認識は必要だと思う。妙な崇拝にならないことを祈る。2022/10/08
kawa
36
小説などで仕立て上げられた二人の英雄像が果たしてどうだったのだろうかを検証するきっかけとなる。例えば自由と平等と平和を訴える竜馬、騎兵隊での武士以外の活躍に好意的だった晋作。これらは後世の為政者の自己都合な粉飾だったと主張。歴史好きにはお勧めの一冊かな。2025/03/24
六点
13
著者はかつて、長州の地で維新史を研究し、長州観光史学を批判したことにより、筆禍に巻き込まれるという稀有な目にあった人物である。さて、この本では毛利氏の上層家臣として産まれ、藩官僚として自己を規定し、維新への道に長州を引きずり込み、夭折した高杉晋作と坂本龍馬を対比的に捉えた評伝である。読後、もし長命した高杉が山県有朋の作らせた『軍人勅諭』に満ち溢れた上層武士層に対する憎悪を見たらどう思ったのだろう。と、埒もないことを考えてしまった。2020/11/22
スプリント
11
浪漫先行の歴史が流行っているが史料を元にした研究では一人の行動で大局は簡単には動かせなかったようです。 歴史は様々な見方ができるし、だれもその場にいたことがないので真実は一つではないと思う。だからこそ歴史研究の本は読んでいて楽しい。2022/04/30
えぬ氏もわるよのぉ
11
坂本龍馬の志士としての覚醒はわりと遅く、久坂玄瑞に勤皇論を熱心に吹き込まれてからではないかという説は、なるほどと思った。長州藩の薩摩名義での武器購入に龍馬は関わってないとか、薩長同盟は龍馬の一喝で決まったのではないというのは、少し前に読んだ『新説 坂本龍馬』に主張が似ている。大政奉還にあまり積極的ではなかったという説も新鮮な驚き。2022/02/13
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